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[MOM1061]西武台FW中山歩(3年)_「走って、走って、走りまくる」点取り屋

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.14 全国高校総体埼玉県予選3回戦 埼玉栄高 1-2 西武台高 西武台高第2G]

 試合が終了してから10~20分経過した後も西武台高FW中山歩(3年)の呼吸は絶え絶えで、肩で呼吸しているような状態だった。「負けず嫌いなんで」というFWは毎試合、体力のリミッターが尽きるギリギリまで走り回るために、このような感覚になるという。「優勝のために走る。辛くはないです。走って、走って、走りまくって、何回もボールを呼んで、ゴールを決めたい」というストライカーがこの日の西武台の勝利には欠かせなかった。
 
 まずは前半13分、「狙っていた」という中山は相手GKのキックをインターセプトすると、豪快な左足シュートで先制点を決める。これで今大会3試合で6得点目。その後もPA付近でボールを収めると、相手が人数をかけてきてもキープしてパンチのあるシュートやラストパスへ持ち込んでいく。後半もボールを奪い返して左足シュートを放ったほか、スルーパスで抜け出してラストパス。そして後半22分には1タッチでMF木榑兼吾(2年)とのワンツーを通して2点目のゴールをアシストした。

 1ゴール1アシストで勝利の立て役者となったが、最も印象的だったのは、「走り」の部分だ。試合終盤で明らかに体力を失いかけている中でも「西武台は守備から」と歯を食いしばって強烈なプレスをかけ続けた。試合後に見せた疲労の濃さも納得の“極限”の走り。中山は元々ボランチを務めていたが、決して上手い選手ではなかった。ただ「あの頑張りを活かしたかった。シュートも面白いものを持っているので」と守屋保監督はFWへコンバート。周囲を活かす動きなど課題はまだまだあるが、指揮官の期待に応えた中山はその走力と得点力でチームの勝利に貢献し続けている。全国大会出場権獲得まであと2勝。最前線でチームを引っ張る闘魂ストライカーが今後も走って、走って、ゴールも決め続ける。

(取材・文 吉田太郎)

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