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ミスから自滅で2失点…遠藤「ボールの失い方が良くなかった」

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[6.14 ブラジルW杯C組 日本1-2コートジボワール レシフェ]

 何とか流れを変えたかった。1点リードで折り返した前半も日本のペースとは言えなかった。ビルドアップでミスを頻発し、ショートカウンターを浴びる。ボールの落ち着きどころがないため、厚みのある攻撃につなげられなかった。

 アルベルト・ザッケローニ監督は後半8分に最初の交代カードを切った。MF長谷部誠に代えてMF遠藤保仁。右膝の故障の影響で米フロリダ遠征での強化試合2試合を欠場し、日本戦がぶっつけ本番だった長谷部を先発起用した時点で、頭に入れていた交代策だった。

「遠藤を後半から使うことは試合前から決めていた。コンディションの問題を考え、長谷部と遠藤の2人が一番活躍できる時間配分を考えた。プレーの質、インンシティーを発揮するために、あの時間での交代でよかったと思う」

 長谷部を90分起用するのは難しい。遠藤の後半起用も昨年11月のベルギー遠征で結果が出ていた。試合前のプランどおりの交代で中盤に落ち着きを与え、追加点を取りに行ったが、流れは変わらなかった。

 遠藤は「シュート数も少ないし、ビッグチャンスはほとんどなかった」と試合を振り返り、「相手を押し込む時間帯が増えれば、セカンドボールも拾えたと思うし、2次攻撃、3次攻撃も可能だったと思う。そこにいくまでにミスが多かった」と、チームとしての課題を指摘した。

「ボールを取ったあとのビルドアップがぎこちなかった。引っかかって(ボールを取られて)カウンターという場面が前半から何度かあったし、後半もそれで2失点している。ボールを取ったあと、セカンドプレーぐらいまではもう少しセーフティーにやれれば、失点もなかったのかなと思う。もう少し高い位置でボールを回せれば、自分たちのペースになったのかなと」

 攻撃を組み立てる段階のミスでボールを失い、カウンターを受け、ラインが下がるという悪循環。「2失点ともクロスからだけど、クロスを上げられる前にボールの失い方が良くなかった。そこをもっとクローズアップしないといけないと思う。中盤で奪われると鋭いカウンターが待っているのは次のギリシャ戦も一緒。修正しないといけない」。まるで自分で自分の首を絞めるような展開。まさに自滅だった。

 黒星発進であとがなくなった第2戦は中4日でギリシャと対戦する。ギリシャもこの日、コロンビアに0-3で敗戦。生き残りへ、互いに勝ち点3が必要な一戦となる。

「(コートジボワールとは)チームスタイルが違うので、ギリシャの攻撃も守備も見直したい。でも、自分たちの形を出すことが一番。相手どうこうより、自分たちの形。今日はできなかったけど、それを出したときに初めて相手に脅威を与えられる。課題をしっかり見直しながら、しっかり話し合いながら、日にちは少ないけどやっていきたい」

 自身3度目のW杯。初戦の逆転負けから1分2敗のグループリーグ敗退に終わったドイツW杯。初戦勝利で勢いに乗り、16強入りした南アフリカW杯。苦い思いも歓喜も味わってきた34歳のベテランが、ここからどうやってチームを立て直すか。8年前の二の舞は御免だ。

(取材・文 西山紘平)

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