beacon

崖っ縁からの反攻誓う川島「もう一度自分たちを取り戻す」

このエントリーをはてなブックマークに追加

 南アフリカW杯に続いて2大会連続で日本のゴールを守るGK川島永嗣(スタンダール・リエージュ)にとって、14日のコートジボワール戦(1-2)はW杯5試合目にして初めて1試合で2失点を許した試合だった。4年前はグループリーグのオランダ戦(0-1)とデンマーク戦(3-1)で各1失点を喫し、4戦2失点。一夜明けた15日の練習後、「(1試合で)前回大会分、取られましたね」と悔しそうに振り返った。

「もちろん、自分としては無失点が一番いいし、点を取られてもいいと思う瞬間は、ピッチにいないときでも、ない」。守護神として完封を目指すのは当然だが、チームとしてのスタイルは南アW杯と大きく異なる。「前回と今回は違うし、チーム自体も攻撃的。戦い方も違うし、失点してしまうリスクもある」。完封できるに越したことはないが、たとえ失点しても、それ以上の得点を狙うのが現在の日本代表のスタイルだ。

 コートジボワール戦ではクロスから2失点した。「チームとしてクロスを上げさせないことが第一だけど、試合の中で必ずそういうシーンは出てくる。その回数を減らすことが大事。コレクティブにやろうとして、中で数的優位をつくろうとする分、外が空いているというのもある」。そう分析し、「距離間の問題もあれば、相手との駆け引きで判断しないといけないこともある。プレッシャーの掛け方もそうだし、より危機感を持って解決しないといけない」と力を込めた。

 攻撃と守備は表裏一体だ。ボールの失い方が悪ければ、守備も後手を踏む。「失点した時間帯を含めて、簡単に中盤で連続でボールを奪われていた。攻撃に行こうとしているところで奪われると、対応するのも難しい。守備だけでなく、攻撃もしっかり改善しないといけない。攻撃でいいテンポをつくれれば、よりゲームをコントロールできる」。良い攻撃が良い守備につながる。良い守備ができれば、良い攻撃につながる。問題は一つではない。

「自分たちは勝つためにここにいるし、自分たちらしいサッカーをするためにここにいる。どれだけ自分たちがそれをピッチで表現できるか。負けて追い込まれているところはある。次の試合に向けて、どれだけいい精神状態で臨めるか。残された時間の中で、もう一度自分たちを取り戻していくことが大事だと思う」。崖っ縁からの反攻。このまま大会を去るわけにはいかない。

(取材・文 西山紘平)

★大会日程やTV放送、最新情報をチェック!!
2014W杯ブラジル大会特設ページ
★全64試合の公式ダイジェスト動画を配信!!
2014W杯ブラジル大会動画ページ

TOP