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大久保が香川とジャグジー風呂ミーティング

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「あんなサッカーをするために4年間やってきたわけじゃない」

 コートジボワール戦を終えたとき、FW大久保嘉人(川崎F)の胸には忸怩たる思いがあった。ザックジャパンを外から見て感じてきた期待感とのギャップがもどかしく映っていた。もちろん、自分自身の出来には満足していないが、それ以上にC大阪時代のかわいい後輩であるFW香川真司(マンチェスター・U)の輝きを失ったプレーには胸が痛んだ。「あいつがやらないと」という思いも強かった。

 イトゥのベースキャンプ地に帰ってきたあと。宿舎のジャグジー風呂で、そのミーティングは始まった。4人が入れる大きさのジャグジーには香川、DF長友佑都、大久保の3人。ジャグジーと水風呂の交代浴を2セット行いながら、大久保はあえて笑い飛ばして、香川に言った。

「全然ダメやったけど、まあ落ち込むなよ」

 すると、香川の顔には笑みが浮かんだという。

「すげぇ落ち込んでおったけど、もう大丈夫。笑って忘れればそれでいいんですよ。自分が悪いときも笑ってもらえれば助かりますから。もう前向きですよ。問題ないですよ」。いじることで香川にパワーを注入した。先輩の愛情だった。

 笑い飛ばしただけではない。ベンチから見ていて感じた、香川の守備の問題点にもずばり切り込んだという。後半は大久保自身も左サイドでプレー。そのときに思ったこともアドバイスとして告げた。

 ギリシャ戦に向けては16、17日と2日連続でDVDミーティングを行った。攻撃陣としては大柄なギリシャの守備に対して、攻めどころは数多くあると自信を持っている。

「ちっちゃい方としては、大きい選手が相手というのはラッキー。激しく当たってくるとは思うが、そこをどうスピーディーにやるか。俊敏性はこっちのほうが上だし、パスを入れてフリックしたり、アイデアを出す。ミドルシュートもどんどん狙いたい」

 先発でも途中出場でもいける。1トップでもトップ下でもサイドでもいける。ジャグジー風呂でもいける。大久保がザックジャパンでどんどん存在感を増している。

(取材・文 矢内由美子)

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