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[MOM1067]横浜FMユースFW和田昌士(2年)_一手間増やしてゴール量産

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.15 日本クラブユース選手権(U-18)関東2次予選 三菱養和SCユース 4-5 横浜FMユース 巣鴨]

 最終スコアは「5-4」。激しい打ち合いの末に、横浜F・マリノスユースが三菱養和SCユースを下した。開始2分足らずで先制点を許す展開から、取って取られての乱戦を制した。横浜FMの阿井達也監督は「早めに追いついたからモチベーションを保てたが、2点差になっていたらどうだったのか」と守備の課題を指摘したが、その言葉の裏には、FW和田昌士がすぐさま取り返した同点弾の価値が隠れていた。前半の11分だった。左サイドでDF森孝輔が投げようとしたスローイン。ゴール前からフラフラとボールサイドに寄って来た和田は、ボールを受けると、慌ててチェックに入った相手をターンでかわし、狙い澄ましたシュートでゴールを奪った。和田は「最初はスローインのボールを受ける気はなかったけど、ボールを受けて、ワンタッチでうまく相手の逆を取ってターンができた。余裕があって、振り抜くことができた」と得点の感触を振り返った。

 和田は、U-16日本代表候補に選ばれたこともある、期待のアタッカー。今季はゼロックススーパーカップの前座で行われたネクストジェネレーションマッチにもU-18Jリーグ選抜の一員として出場した。シーズン開幕後は、まだ2年生ながらプリンスリーグ関東でチーム最多の7得点を挙げるなど好調だ。クラブユース関東予選でもこの日の試合に限らず、横浜FC戦などでもゴールを決めている。手ごたえを得ているのは、オフ・ザ・ボールの動きだ。「試合に出たら必ず得点するということを意識している。ほんの少しのポジショニング、2トップのもう一人の選手との連係、動き出しのタイミング、そういうものを今までより意識してこまめにやることで点を取れるようになってきた。半歩でも(ボールに)寄ってから(遠ざかって)相手の裏を狙えば相手は騙される。オフ・ザ・ボールの動きでフリーになれる回数が増えてきた。少し工夫するだけで勝負しやすくなって、ゴールの確率が上がると実感できている」と自信に満ちた表情で話した。

 チームは、日本クラブユース選手権の連覇を目指す。和田は1年生だった昨年、優勝の瞬間をスタンドから見ていた。三ツ沢球技場で目に焼き付けた、その光景には喜びと悔しさが入り混じっている。「優勝したときは嬉しかった。でも、メンバーに入っていなかったことは、すごく悔しかった。今年は自分が中心でやってやる、連覇をしてやるという気持ちを持っている」と和田は言う。成長途上で勢いに乗るアタッカーは、夏の全国大会をブレイクの場とするためにゴールを奪い続ける。

(取材・文 平野貴也)

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