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日本代表が急きょ練習中止、ザック「ストレスから解放されてほしい」

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 ベースキャンプ地のイトゥで21日午後(日本時間22日未明)に予定されていた日本代表の練習が急きょ中止となり、選手にはオフが与えられた。練習後に予定されていた選手の取材対応もキャンセル。代わってアルベルト・ザッケローニ監督が報道陣の取材に応じた。

「まずはみなさんにお詫びを申し上げないといけない。午前中の遅い時間に、午後の練習を休みにすることを決めた。同時に選手のメディア対応もなしにした。代わりに監督が出席するということで、私ですが、我慢してください」

 冒頭、そう切り出したザッケローニ監督は急きょオフとした理由について「フィジカルのところはまったく問題ない。メンタルのところで次の試合にいい状態で臨ませるために、休ませたほうがいいという決断に至った」と説明した。

 原博実専務理事によると、選手にも昼の時点で午後のトレーニングがオフになったことが伝えられた。「午前中の選手の状態を見て、気持ちを切り替えさせるために休みにしようという判断になった。選手みんなでコロンビア戦に向けていい準備をするために、こういう決断になった」と、指揮官の説明を補足した。

 オフは今月10日以来、11日ぶり。このときはザッケローニ監督が「実はかなり前から決まっていた。プログラムどおりにトレーニングを消化することができれば、この日は休みにしようと思っていた」と明かしたように、予定どおりの休養日だったが、今回はまさに突然の決定だった。

 前回のオフ日は事前にイトゥのメディアセンター内にステージが用意され、記者会見という形でザッケローニ監督が対応したが、この日は普段、選手が取材対応を行うスペースに指揮官が立ち、その周囲を報道陣が取り囲んだ。日本協会広報から練習開始予定の30分前にアナウンスされ、そこから準備するドタバタぶりだった。

 コートジボワールに1-2で敗れ、19日のギリシャ戦も0-0のスコアレスドロー。2試合を終えて1分1敗と、あとのない状況で、グループリーグ突破のためには24日のコロンビア戦に勝ったうえで、コートジボワールがギリシャに引き分け以下に終わる必要がある。

「この2試合、満足いく戦いができなかったのは分かっているし、言い訳をするつもりもない。これまでの4年間の戦いを見て、こんなもんじゃないとみんなが思っている。次の試合にいい状態で臨むために、この決断をした」

 重視したのは選手のメンタル面だ。「みんなが満足しない状況で、その理由を各々が考えている。だが、考え過ぎるのはよくない。ネガティブに捉える現象が起こるからだ。あまり考えず、メンタルのところでフリーになってほしいという意図がある」。なぜ自分たちのサッカーができないのか。悩み、考え込む選手たちに少しでもリラックスしてほしいという思いがある。

 オフが与えられた選手たちの外出は禁止だが、「ランニングしたり、ボールに触ったりは自由にしていいと話している」とザッケローニ監督。「落ち着くことで、ストレスやプレッシャーからできるだけ解放されてほしい」と、その思いを語った。

 自分たちのサッカーができない理由について指揮官は「一つだけではない。たくさんのことがあって、この2試合はうまくいってないと思っている」としたうえで、「その一つとして、プレーのスピードが伴わなかった。なぜ伴わなかったのか。頭のところでどこかブレーキがかかっているのではないか。あとは初戦の結果が次の戦いに響いたのかなと思っている」と指摘した。

 選手の気持ちをもう一度、リフレッシュさせ、コロンビア戦に臨む。「このチームはこれまでの戦いの中で、たくさんの喜びや満足感、充実感を与えてきてくれた。コロンビア戦で再度、これまでやってきた、良い日本を出したいと思っているし、そういった戦いを見ていきたいと思っている」。4年間の集大成ともいえる“最終決戦”。約50分間に及んだ取材対応の最後をザッケローニ監督は「選手と対話していく中で、次の試合は絶対にやってくれるだろうと思っている。(現在の時刻の)午後4時20分の自分の心境を言うとすれば、非常にポジティブな気持ちでいる」と締めくくった。

(取材・文 西山紘平)

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