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[MOM1070]市立船橋FW矢村健(2年)_全国切符もたらした“シュータリング”

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.21 全国高校総体千葉県予選準決勝 市立船橋高 1-0(延長)暁星国際高 東総]
 
 市立船橋が全国進出を決めた決勝点は2年生FWの“シュータリング”によって生まれた。0-0で突入した延長前半8分、市立船橋はショートカウンターから中央でボールを持ったFW磯野隆明(3年)が右前方へスルーパス。これに走りこんだFW矢村健(2年)が右足を振りぬくと、ボールは逆サイドのポストを叩いてゴールへ吸い込まれた。

「相手が寄せて来なかったし、(ドリブルで)運ぼうとも思った」という矢村だが、素早く、強いボールでクロスを入れようとした結果、ゴール方向へ飛んだボールが幸運な決勝点に。後半5分に右クロスから決定的なヘディングシュートを放ち、12分には鋭いターンからポスト直撃の右足シュートを放っていた矢村は「もうチャンスは来ないかと。怖かった」というが、“意外な”一撃で延長戦勝利のヒーローになった。

 矢村は冬の全国高校選手権初戦では1年生ながら1トップを務めた期待のアタッカーだが、今年は怪我に泣き、プレミアリーグの出場機会がなく、公式戦出場はこの総体予選が初めて。その分気合も入っていて「人生を変える夏にしたい」と意気込む。自身で「足元はない」と認めるように、決して足技やアイディアで違いを生み出すような選手ではない。トラップ、シュート、ターンを磨きながらの毎日だが、彼の「走って、がむしゃらにやらなければいけない」という姿勢、前線で繰り返される動きの量がチームを活性化させ、決定機を生み出している。そしてこの日は決勝点を決めた。

「昨年(選手権)は凄くいい経験ができたけれど、優勝まで行けなかった。(今年もこのままだと)危ない。足元をすくわれる」と慢心はない。努力を続けて、今回は全国舞台でチームに多くの勝利をもたらす存在になる。

[写真]延長前半8分、市立船橋はFW矢村が右足で決勝ゴール

(取材・文 吉田太郎)

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