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シュート23本で1点…ラストシュートの柿谷「勝てなかったのがすべて」

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[6.24 ブラジルW杯C組 日本1-4コロンビア クイアバ]

 後半24分、1-2とコロンビアに1点のリードを許していたときだった。FW岡崎慎司に代わり、FW柿谷曜一朗(C大阪)がピッチに立った。コートジボワールとの初戦で後半41分から約5分間プレーして以来、10日ぶりの“実戦”。大久保嘉人と2トップ気味に中央に位置し、チャンスを窺った。

「(2トップ気味のやり方は)練習からやっていたこと。監督からの指示は、相手もだいぶ引いているのでどんどん押し上げていこうということだったし、自分もそう思っていた。とにかく勝たないといけないので、しっかり攻めきっていこうと思った」

 だが、フレッシュな柿谷の意図とは裏腹に、暑さと前半の激しい動きで味方の足は重くなり、陣形は間延びしていた。日本は積極的にシュートを打ち続けたが、遠目の位置からのシュートが多く、枠を捉えることが少ない。選手間の距離も遠く、前線の狭いエリアでのコンビネーションプレーに長けた柿谷の良さはなかなか出なかった。

 柿谷に最初で最後の見せ場が訪れたのは、すでに4点を失っていた後半アディショナルタイムだ。コロンビアのセンターバックのギャップを突いて半身で裏に抜け出しながら、パスを受けた。柿谷の得意な形だった。

 だが、ゴールを決めることはできなかった。これがブラジルW杯での日本のラストシュートとなった。

 昨年7月の東アジア杯で華々しく代表デビューを飾り、膠着感の漂っていたザックジャパンに新しい風を送り込み、代表に定着した。しかし、W杯イヤーに入ってからは勢いを失った。それと同時に、どこか責任を背負い込み、追い詰められたような表情を浮かべることが多くなった。

「最後のシュート? そういうのは関係ない。久々という思い? 何もない。残念。勝てなかったので、それがすべて」。短いセンテンスに悔しさをにじませた柿谷。「4年後に向けて? 何も考えていない。残念なだけ」。最後までとがった言葉を自分に突き刺した。

(取材・文 矢内由美子)

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