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悲壮3分9敗のアジア勢。韓国ホン・ミョンボ監督「アジア勢は全力を尽くしたが…」

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[6.26 ブラジルW杯H組 韓国0-1ベルギー サンパウロ]

 アジア勢最後の砦である韓国が10人のベルギーに屈辱の敗戦を喫した。アジア勢4か国の今大会の成績は3分9敗。手に入れた勝ち点は12試合でわずか3という悲惨な結果に終わった。

 B組のオーストラリア(3敗)、C組の日本(1分2敗)、F組のイラン(1分2敗)、H組の韓国(1分2敗)はいずれもグループ最下位という惨状だ。

 目を覆うばかりの結果に、ベルギー戦後の韓国のホン・ミョンボ監督の会見はさながら“アジア勢の弱さを糾弾する会”という様相を呈した。

 そもそも最初に出た質問が、韓国のこの日の試合についてではなく、アジア勢全体の不振をどう思うかというもの。ホン・ミョンボ監督は「他のアジアのチームはベストを尽くしたと信じているし、我々も全選手がベストを尽くした。しかし、世界に勝つのは難しかった」と言った。

 アジア勢が未勝利に終わったのは、韓国とUAEの2か国が出場した90年イタリア大会以来、24年ぶり。しかし今回は4か国が出場している。4か国の総得点は9、総失点は25。これほどまでの弱さは大会の質そのものを下げることにもつながってしまう。

 会見では「韓国を含め、アジア勢はW杯で優勝するという夢を持つ必要があるのではないのか?」と、意識の低さが問題であるというような質問も出た。韓国指揮官は「我々の選手は常に夢を持っているし、夢を持つだけではなく、実現するためにたくさんの努力もしている。もちろん私を含めた指導者もだ」と精一杯の反論をしたが、世界がその気概をどこまで感じてくれるか。

「アジア勢はそれぞれが違うスタイルを持っている。何度も言うが、ぞれぞれが全力を尽くした。しかし、全体的にはアジア勢にとって難しい大会となってしまった」。確かにそのとおりだ。日本とてしかり。しかし、現実はあまりに厳しかった。

「我々には才能あるDF陣がおり、他国のリーグで経験を積んでいる。未来はもっと良くなる」と強気を崩さない指揮官は、最後に「韓国から来てくれた全サポーターに感謝したい。そしてファンには謝りたい。帰国したあとは韓国サッカーのためにもっとハードワークする」と述べ、韓国メディアからは拍手も起きた。

 アジア勢のトリとなったことで世界のメディアの矢面に立つ形になったホン・ミョンボ監督は、アジアサッカー全体の代弁者のようでもあった。4年後へ向け、アジア全体に重い課題が突き付けられた。

(取材・文 矢内由美子)

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