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柏の新布陣3-5-2に手応えの工藤「個々の役割が整理できてきた」

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[7.19 J1第15節 柏0-0仙台 柏]

 ピッチでウォーミングアップを開始した後に発表された雷雨による1時間の遅延。前回日立柏サッカー場で遅延があったのは、7年前の2007年4月28日、J1第8節名古屋戦までさかのぼる。柏レイソルのFW工藤壮人がプロ入りする2年前だ。「1回ピッチに入って上がるのは始めてだったので、難しい部分はあった」と集中力の維持が難しかったと工藤は振り返った。

 試合が始まると、柏はベガルタ仙台の割り切った攻めに苦しめられた。水が溜まってグランダーのボールが止まってしまうようなピッチ状況を踏まえて、ロングボールに徹した仙台が前半はリズムをつかんだ。ところが雨が上がった後半になると一転、柏のペースになる。

 柏が敷いたのは3-5-2の新システム。中盤は両ウイングバックと3枚のボランチでスタートした。ボランチは逆三角形に配され、高い位置に入る2人のうちどちらかが「3人目の動き」(工藤)としてゴール前にも顔を出す。後半頭から攻撃的なMF狩野健太がより2トップに近い位置に投入されると、水たまりがなくなったピッチでおもしろいようにパスがつながった。「バラ(茨田)のミドルだったり、(ハン・)グギョンが飛び込んだり、後ろから勇気を持って出て行くところは多々見られたと思う」。

 新システムへの手応えを口にするが、無得点に終わった柏の背番号「9」が課題を口にしないわけがない。「攻撃のスイッチが入ったときに、個々の役割が整理できてきたと思う。それをより効果的にやるのが課題。1試合を通して2回、3回ではなく8回、10回とチャンスをつくっていきたい」。

 守備は後ろにブロックを敷き、攻撃はロングボールに徹していた仙台には通用したが、強いチームに対しても柏の新システムは奏功するのか。次節、敵地での王者広島戦に臨む。

(取材・文 奥山典幸)

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