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「新潟の実力」世界にアピール!U-17新潟選抜が3連勝で国際ユースサッカーin新潟制す!!

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[7.21 国際ユースサッカーin新潟第3節 U-17セルビア代表 0-1 U-17新潟選抜 新潟市陸上競技場]

 U-17日本代表とU-17メキシコ代表、U-17セルビア代表、そして地元のU-17新潟選抜が優勝を争った「国際ユースサッカーin新潟」は21日、最終節を行い、新潟選抜が試合終了間際にFW鎌田啓義の決めた決勝点によってU-17セルビア代表に1-0で勝利。3戦全勝とした新潟選抜は3大会ぶり2回目の優勝を飾った。

「新潟県の底力、新潟県のレベルが上がっていることを示すことができた」。新潟選抜の主将・DF佐久間理央は表彰式で受け取った優勝トロフィーを何度もスタンドへ向けて掲げていた。新潟選抜は初戦でこの年代では世界トップレベルのメキシコを2-0で下すと、続くU-17日本代表戦は3-2で新潟選抜として4年連続となるU-17日本代表撃破。そして東欧の強豪セルビアも1-0で振り切った。スタッフとともに満面の笑顔で優勝写真に収まったイレブン。佐久間は「(これまで)酒井高徳クンや川口(尚紀)クンなどSBの選手が新潟は豊富だと言われていたんですけど、今大会は鎌田が日本から2点、最後の試合でも1点入れてSBだけではないというか、他のポジションでも自分のCBも、ボランチでもすべてのポジションで世界で通用するプレーをアピールできたと思います」と「新潟の実力」を世界でアピールできたことに胸を張った。

 全員で勝ち取った優勝だった。3連戦の3日目ということもあり、ともに動きが重い展開。最終ラインから丁寧にボールを繋ぐ新潟選抜はいい形で中盤に入れるシーンもあったが、全体的にミスが多く攻め切ることができない。その中で前半19分には左サイドのMF高橋怜大がグラウンダーで中央へ入れると、中央のFW鳥島佑紀が左足を振りぬく。33分には左SB渡辺啓太が足の止まった相手DFの間をスルスルと抜け出して、左足シュート。前半最も会場を沸かせたこのプレーなどで先制点を目指していった。

 後半開始から鎌田と佐久間を投入してペースを上げようとした新潟選抜だが、押し込んだのはセルビアの方だった。5分、スルーパスで抜け出したFWイバン・シャポニッチが左ポスト直撃の右足シュート。新潟は15分にも相手の左サイドからの攻撃にDFが振られ、MFステファン・ヤンコビッチに決定的な左足シュートを放たれてしまう。だが、これは今大会無失点を続けるGK阿部航斗がファインセーブ。その後もPAまでボールを運ばれたものの、佐久間と大桃海斗の両CB中心にしっかりと相手の前に身体を入れて対応し、ロングボールも跳ね返していった。

 新潟選抜の原伸洋監督は初戦終了後に1対1の勝負、特に守りで勝てなかったことを悔しがっていた。この日も突破されるシーンはあったものの、新潟選抜はより気迫あふれる守りでゴールを守り続ける。その新潟選抜は攻撃面でも後半12分にMF加藤潤の左足ミドルがゴールを襲ったほか、28分には左アーリークロスに反応した鎌田が右足を振りぬき、終盤には鎌田がサイドやDFの背後へ抜け出すシーンを増やしていった。

 引き分けでも優勝の決まる新潟選抜。0-0のままでも栄冠を手にすることができたが、エースFWが劇的なゴールで地元Vに花を添えた。44分、加藤を起点とした攻撃からMF木村風輝がタイミングよく落とすと、これを受けた鎌田が左中間からドリブルで仕掛けて左足シュートをゴール右隅へ突き刺す。鎌田のファインゴールで先制した日本は、大桃が「全体的に足が止まっている場面が多かったんですけど、最後気持ちで足を出して、ちょっと厳しかったけれど無失点で終えられて良かったです」と振り返る執念の守りで3連勝を飾った。佐久間が「一人ひとりが責任感持ってやってくれた」と讃えた新潟選抜はセルビア戦で全18選手を起用して全員で勝利。地元の声援にも支えられた新潟選抜が、世界の代表3チームを地元で見事に返り討ちにした。

(取材・文 吉田太郎)

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