[7.24 日本クラブユース選手権1次R第1節 C大阪U-18 4-0 横浜FCユース 宮城総合]

　夏のクラブユースチーム日本一を決める「adidas CUP 2014 第38回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会」が24日に群馬県で開幕し、Cグループのセレッソ大阪U-18(関西1)が4-0で横浜FCユース(関東9)を下した。

　立ち上がり拮抗した展開が続いたが、大熊裕司監督の「自分たちが積み上げてきた事を披露する良い機会。普段、試合が出来ない関東勢のチームと試合が出来るのかが今大会の楽しみ」という意気込み通り、C大阪が徐々にDF庄司朋乃也を中心とした後方からの組み立てでリズムを作る。

　高い位置にボールが入ると、細かく素早いパス回しから、MF高田和弥、DF温井駿斗らが両サイドを個々で仕掛けつつ、機を見ては沖野将基、久保吏久斗の2トップの飛び出しを活かし、ゴールに向かった。ただ、「(プレミアリーグWEST)ここ数試合の課題ですが、怪我人がいる影響もあり、最後のクオリティーが低い」(大熊監督)となかなか好機を活かせない。もどかしい時間が続いたが、それでも33分に左サイドからの攻撃でFKを獲得。温井のキックは一度、壁に阻まれたが、PA右にこぼれたボールを久保が落ち着いてゴール左隅に決めて先制する。さらに、アディショナルタイム突入後の41分にも温井の左CKを庄司が頭で合わせて突き放した。

　対する横浜FCはC大阪のミスを確実に拾い、黒木晃賢、前嶋洋太の両サイドMFに繋ぐものの、決定機を作れないまま、前半を終えた。後半も11分に左サイドを上がったDF井上友也が中央とのワンツーから強烈なシュートを放つなど攻撃の姿勢を見せるものの、ゴールは遠い。

　前半と同じく次第にC大阪へとリズムが傾き、18分には相手ボールをMF阪本将基が中盤で奪うと高田へ預ける。素早く右サイドのスペースに展開し、飛び出したMF斧澤隼輝がゴール前にパス。反対サイドから走り込んだMF西本雅崇が右足で合わせて3点目を挙げた。C大阪は点差がついてからも、「群馬は暑いけど、普段から僕たちは走っているので問題ない。まだまだ走れる」(阪本)との言葉通り、最後まで足を止めずに運動量で上回り、終了間際にも途中出場のFW井上泰斗が決めて、4-0で勝利。幸先の良いスタートを切った。

　C大阪は攻守両面でのアグレッシブさや、主導権を握った状況からの個々での仕掛けなど“セレッソらしさ”が垣間見えた反面、前述のように攻撃での課題も見えた。12日の天皇杯2回戦、ヴィアティン桑名(三重)戦でプロデビューを果たし、2ゴールを奪った阪本も大会2日前にトップチームの午前練習に参加した後に群馬入り。この日の試合に出場したが、「僕らもまだどうなるか分からない。トップチームからは途中でチームを離れる可能性はあると聞いている」(大熊監督)。

　手応えも、不安もあるが、「(もしトップに行けば)戦力としては痛いけど、僕らの仕事はトップに選手を送ること。彼の活躍で、皆にチャンスがあると分かったと思うので、良い刺激になる」と指揮官が話したように、阪本に続くだけの可能性を秘めた選手もいる。成績の行方と共に、飛躍のきっかけを掴める選手の登場も楽しみだ。

(取材・文　森田将義)

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