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[Fリーグ]好セーブで流れを引き寄せた湘南GK三浦「小さい分、どんどん勝負したい」

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[7.21 Fリーグ2014/15 第5節 湘南5-5大阪 小田原]

 Fリーグは21日、第5節を各地で行い、湘南ベルマーレ(Fリーグ)シュライカー大阪が対戦した。激しい点の取り合いとなった一戦は、5-5の引き分けになった。2-4で迎えた後半からピッチに立ったGK三浦拓はファインセーブを連発。勝利には結びつかなかったが、勝ち点1獲得に大きく貢献した。小柄ながら、アグレッシブな守備を見せ、後半を最少失点に抑えた三浦は、「中途半端なポジションでやられるくらいなら、出過ぎてやられた方がいい」という、自身の哲学についても語っている。

 以下、試合後のインタビュー
●GK三浦拓(湘南)
―後半から出場し、大活躍でしたね。
「すた丼のおかげです!!」

―ベンチでは4点目が入ったときに声を掛けられていましたね。
「あのときに『後半、行くから』と声を掛けられました。もともとは、第2PKになったらサブGKが出ることになっていたのですが、試合の方だったので。もしかしたら、出番があるかなと準備はしていたので、すんなり試合に入ることができました」

―オーシャン杯では本来の力を出せずに、3位決定戦はベンチでした。その後はケガもあり、かなり悩んだ面もあったのでは?
「そうですね。今まで大きいケガをして試合に出なかった経験もなかったので、どういうメンタルでいればいいのかもわかりませんでした。でも、しちゃったものは仕方がないと、吹っ切れたことが、今日のプレーにつながったのかなと思います。ヒサさん(久光重貴)とか、ベテランの方が『行って来い!』と声を掛けてくれたので、すごく試合に入りやすかったですし、ベテランの方の力は大きいなと思いました」

―かなりセーブの回数が多かったが、会心のセーブは?
「僕の中で気持ちが入ったのは、その直後に決められてしまいましたが、ファーサイドに出されたボールをダイレクトでシュートされたのを止めたときですね。その後、すぐに失点してしまったのですが、あれでちょっと自分の中でスイッチが入りました。止めたら、絶対に吠えようと、自分の中で気持ちを高めようと思っていたので。あのセーブが、今日のプレーにつながったのかなと思いました。あの失点に関しては、ニアで誰かの股を抜けてきました。止めていれば良かったですけど、そこまで悲観はしていません。ああいうシュートも来るんだなと。常に用意しておかなければいけないし、慣れていくしかないですね。経験がモノをいうとよく言いますが、年齢を重ねなくても、若くても経験は積めると思うので。試合に出て、経験を積みたいと思います」

―もう一つ印象的だったのが、ロングパスがヴィニシウスに入り、ヴィニシウスがダイレクトでシュートを打った場面。PAギリギリまで出て止めました。あのセーブは?
「いつもの自分だったら、飛び込んでいたと思うんです。でも、飛び込まないようにしようとしたことで、あそこで止まることができて、止めることができました。積極的に行くけど、最後は我慢する。これは、スペインで学んだことなんですが、それを昨日からイメージしていて、試合で出せた瞬間でしたね。自分の間合いに持っていくポジショニングを取ることを意識しています。中途半端なポジションでやられるくらいなら、出過ぎてやられた方がいいかなと」

―結構、高い位置にポジションとりますよね?
「はい。小さい分、後ろで構えるタイプではないなと思うので、どんどん勝負したい。もともと『前に出る選手』と言われていたのですが、開幕前、スペイン留学に行った際に『全然、出る方じゃないんだ』と思い知らされたので。まだ、粗削りだと自分でも思いますが、少しずつ練習からでも、出せてきたと思います」

―伊久間監督はオーシャン杯のプレーについて『Fリーグに慣れていない部分がある』と話していたが、その辺も克服できた?
「個人的には、Fリーグのシュートに慣れていないというより、気持ちの面で馴染めていなかったんです。オーシャン杯のときは『試合に入れていないな』と感じていたので。頑張ろうという気持ちが強すぎて、空回りしていたのは、自分でも感じていたのですが、それをどう改善すればいいか分からなくて、もがいている部分もありました。試合に出ないと分からない部分でもあったので、今か今か、とチャンスを待っていて、やっとここで巡ってきた感じでした。このチャンスをモノにできたかはわかりませんが、試合に出られたことはデカイですよね。先週の名古屋戦で第2PKのときに出ましたが、あれがFリーグは初出場だったんですが、 (森岡)薫さんに決められて。でも、それがあったから、今日は緊張しませんでしたね」

―今日はホームで引き分けに持ち込みましたが、初勝利が早く欲しいですね。
「振り返ると『あのとき、ああしていれば』『こうしていれば』というのがありますが、失点が多いというのは間違いないので。GKを中心に失点を減らして。点は取れるようになってきているので、GKが率先して、体を張るときは張って、守備を安定させたい。気持ちの部分では、一番若いので、盛り上げていきたいです」

―次節は大分戦です。
「初の遠距離移動なんですよね。僕は、移動にも慣れていないので、どうなるか分からないので。一番良いコンディションで行って、起用してもらったら、自分のプレーを出して行きたいと思います」

(取材・文 河合拓)

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