beacon

[MOM1085]仙台ユースMF佐々木匠(2年)_16歳3か月でトップベンチ入りの“至宝”、才能の片りん見せる

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.25 日本クラブユース選手権1次R第2節 仙台ユース 1-1 大分U-18 前橋総合]

 ベガルタ仙台ユースが誇る“至宝”MF佐々木匠(2年)がその才能の片りんを見せた。23日に行われたJ1、ベガルタ仙台対名古屋グランパス戦で仙台史上最年少となる16歳3か月でのベンチを果たした期待の存在。その試合での出場機会は無かったものの、憧れのプロの世界を味わった。

 翌24日は午前5時に仙台を出発し、9時に群馬に到着。11時半キックオフのサンクFCくりやまU-18戦はスタメンこそ回避したものの、後半から出場し、2点に絡む活躍を見せた。「仙台では絶対、体験できない暑さで大変でした」と苦笑いしながらも、表情からは充実ぶりを感じさせた。

「移動疲れはあるけど、トップのベンチを経験し、試合に出たいという気持ちが強くなった。そのためにもこの大会でもっともっとアピールしたい」。意欲十分でスタメンに復帰したこの日も序盤からトップ下の位置で攻撃を牽引。「お前からドリブルを取れば、何が残るんだ。やり切れと常に言っている」(越後和男監督)という持ち味であるテクニックと速さを備えたドリブルで大分U-18DFを切り崩した。また、「技術を見せたいけど、見せる場所を選んでいる」と口にするように、的確な状況判断も特長のひとつ。ドリブルはバイタルエリアのみに限定し、自陣ではスムーズなターンからシンプルにボールを叩き、リスクを避けたプレーを選択する場面も多く見られた。

 随所で光るプレーを見せたものの、「今日の出来は3割くらい。本調子の自分だったらという気持ちがあるし、ドリブルに関しては自信があるけど、出し切れなかったので、個人の評価としてはまだまだ」と納得の行かない表情を見せる。後半14分にはPA右からドリブルで持ち込んだ所を相手に倒されてPKを獲得。自らがきっちりと決めて同点に追いついたが、「PKを決めましたけど、プロに行けば強い身体を作って倒れないで決める選手になりたい」と反省を口にする。越後監督も「まだ怪我上がりで、身体のキレがなく、連続してプレーが出来ない。怪我する前の調子が良い状態なら、今日はあと2点くらい獲れている。怪我する前は手がつけられなかった。チームメイトがボールを奪えなかったくらい」と話す。

「まだ分からないですけど、たぶん(トップチームに)行くと思います」と越後監督が話したように、グループリーグ突破がかかった27日の東京ヴェルディユース戦ではなく、同日に行われるトップチームのFC東京戦に出場する可能性がある。3歳からユアスタに足を運び、サポーター席で応援し、マルコスや佐藤寿人、財前宜之のファンだった “サポーター”でもある彼はベンチ入りを果たした名古屋戦について、「ずっとベガルタに入りたかったので、この間、ベンチした時は凄く感動した」と振り返る。憧れの舞台まであと少し。プロデビューへの期待はもちろんだが、ユースチームにとっても非常に大きな存在だけに、今週末、彼がどちらのチームでプレーするかも目が離せない。

(取材・文 森田将義)
▼関連リンク
【特設ページ】第38回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会

TOP