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[MOM1087]仙台ユースFW本吉佑多(2年)_迫力十分の動きでチーム救った“面白いヤツ”

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.27 日本クラブユース選手権1次R第3節 東京Vユース 0-1 仙台ユース 石関公園サッカー場]

 いつものポゼッションスタイルではなく、カウンター中心だったベガルタ仙台ユースの前線で存在感を放っていたのがFW本吉佑多だ。荒れたピッチは踏み込んだ際に芝がめくれやすくなっており、ハーフタイムの中断中には雨も含んだが、そんな重馬場をものともしない縦へのランニングは迫力充分。攻撃ではスペースへの飛び出しで後方からのパスを引き出してゴールへと迫り、守備でも献身的なプレッシングで中盤や最終ラインを助けていた。越後和男監督は本吉のことを尋ねられると「“面白いヤツ”でしょう」とニヤリ。「周囲との関係やFWとしての動き方などは仙台ユースに来てから教え始めたので、荒削りなところはある。ただ、それ故におもしろい動きをするんです」とイレギュラーな部分を評価している。確かに身体能力の高さを生かしたダイナミックな動きは一際、目を引く。いい意味で“Jクラブの下部組織っぽくない”FW像が彼の魅力のひとつと言える。

 また、明るいキャラクターはチームのムードメーカーでもある。「選手全体になにかを尋ねたときも、自分から手を上げて発言するんです」(越後監督)という一面も。本人は「アップのときから声は意識しているし、試合以外でも盛り上げています」と話しているが、それらはチームを良くしたいという気持ちの表れだ。

 クラブユース選手権大会には昨年も途中出場などで経験したが、思うようなプレーはできなかった。「あれから試合で活躍することで自信がついてきたし、2年生になって自覚も出てきた」(本吉)と、今年は主力選手の一員として大会に挑んでいる。現在は同じ2年生のFW吉田伊吹と「競わせている」(越後監督)状況。ポストプレーを得意とする吉田と、推進力のある本吉。タイプの違う2人がポジション争いの中で切磋琢磨することでの相乗効果を期待してのものだ。本人は「周りからも“伊吹に負けるな”と冷やかされます(笑)。あいつから吸収できる部分もある」と前向きだ。「今は気持ちでゴールを狙いに行っているけど、そこに技術が付いてきたら、もっと良い選手になれると思う」。自身で描く未来予想図は点が取れて、ドリブルもできる選手。今大会で、そのための階段を一歩ずつ登っていく。

[写真]迫力十分の動きで仙台ユースを救ったFW本吉(右端)

(取材・文 雨堤俊祐)
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