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[クラブユース選手権U-18]札幌U-18が5発快勝で4強!初めて猛暑の前橋5戦を突破!!

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[7.30 日本クラブユース選手権準々決勝 磐田U-18 0-5 札幌U-18 前橋総合]

 夏のクラブユース日本一を決めるadidas CUP 2014 第38回日本クラブユース選手権(U-18)大会は30日に群馬県の2会場で準々決勝を行い、前橋総合の第1試合ではコンサドーレ札幌U-18が5-0でジュビロ磐田U-18を下して4強入りを果たした。

 スコアは大差となったが、実力に開きがあったわけではなかった。前半はむしろ磐田のペースだった。9分、磐田は左サイドからショートパスをつなぎ、ゴール前へ入れたところでFW立川嶺がシュート。大きなチャンスだったが、ブロックに阻まれた。札幌はパスをつないで押し返す場面が少なく、苦しい出だしとなった。しかし、12分に左MF久保田成悟がパスを出そうとする動きをフェイントにしながらスルスルと左サイドを突破。相手守備の緩慢を突いてそのままシュートを突き刺した。

 しかし、その後も磐田のペースで試合は進んだ。ボールサイドに人数をかけ、ショートパスを交換。密集地帯を抜けると一気にスピードアップしてゴールへ迫った。30分に左から押し込み、立川のラストパスに森下龍矢が飛び込んだが、クロスプレーはファウルの判定。33分には石田崚真の右からのアーリークロスを森下がボレーで合わせたが、GKに防がれた。45分、そしてアディショナルタイムにもシュートチャンスを迎えたが決め切れなかった。

 前半、少ないチャンスを物にして我慢していた札幌は、後半から前がかりな相手の背後を突いて効果的にリードを広げた。6分、左DF按田頼がボールを奪うと、すかさず長い縦パス。中央から左に流れるように抜け出した大型FW平川元樹が1タッチで中へ持ち出すと、冷静にシュートを決めた。さらに11分、右DF鈴木翔から右MF高嶺朋樹へと縦に素早く展開すると、ラストパスを再び平川が決めて一気に3点差とした。

 磐田は左DF塩谷仁がミドルシュートを放つなど反撃を試みたが、札幌は37分に右CKから按田のヘディングシュートで容赦なく加点。さらに44分には途中出場の藤井慎之輔がドリブル突破で自ら得たPKを決めて5点目を奪った。札幌の四方田修平監督は「先取点が取れたのは大きいけど、磐田さんのパスワークで相当苦しかった。ただ、選手が最後のところで体を張って守ってくれた。後半、同じ展開では凌げないと思ったので、もう少し(プレッシャーをかけに)行かせなければいけないと思った。サイドに追い込んでプレッシャーがうまくかかり、そこから攻めるカウンターから点が取れて良かった」と試合展開を振り返った。

 札幌は例年ハイレベルなチームだが、この大会では前橋の暑さに苦しむ展開が続いていた。過去最高成績は、01年の準優勝だが、当時は福島県にあるJヴィレッジでの一極集中開催だった。大会は11年の東日本大震災の影響を受け、同年から準々決勝までを前橋、準決勝以降を横浜で行う形となっている。2得点で勝利に貢献したFW平川は「群馬開催になってからは、ベスト4になって横浜に行ったことがなかった。オレたちの代で行ってやろうと言って戦ってきたので、嬉しい」と笑顔を見せて、汗をぬぐった。

 北海道勢にとって暑さは天敵。四方田監督も「今朝の気温は27度だったのでラッキーだと思ったが、実際にはとても暑かった(公式記録は33度、無風に近い状況だった)。気質は違うけど、札幌も30度を超えるくらいにはなるので、32~33度は対応できると思う。ただ、2日目の鹿島ユース戦のように35度を超えると厳しい。正直、ここまで来るとは思っていなかった」と快進撃の手ごたえを話し、灼熱の前橋ラウンドを突破した喜びを表現した。

 2度目のファイナル進出まで、あと一歩。四方田監督は「気負いはないし、失うものはない。良い雰囲気でこの大会はずっと来ているので、その流れで思い切ってやりたい。自分たちのベストを尽くすことに主眼を置いて戦いたい」と意気込みを話した。準決勝は8月1日に三ツ沢陸上競技場で行われ、札幌は同じプレミアリーグEASTに所属する三菱養和SCユースと対戦する。

(取材・文 平野貴也)
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