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[総体]静岡予選から4試合連続PK戦勝利!東海大翔洋が東海大三との“兄弟対決”突破

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[8.2 全国高校総体1回戦 東海大三高 0-0(PK0-3)東海大翔洋高 韮崎中央公園陸上競技場]

 平成26年度全国高校総体「煌(きら)めく青春 南関東総体2014」サッカー競技1回戦が2日に行われ、東海大翔洋高(静岡)と東海大三高(長野)との“兄弟対決”は0-0で突入したPK戦の末、東海大翔洋が3-0で勝利。山梨学院高(山梨1)と戦う2回戦進出を決めた。

 応援席は左も黄色と黒の縦縞、右も黄色と黒の縦縞に彩られていた。本来、ともに「タイガージャージ」をまとう東海大の付属校同士による注目対決を制したのは、かつて全国高校選手権優勝を果たしている東海大一高の歴史を受け継ぐ東海大翔洋だった。6年ぶりとなる全国舞台を前に情報をシャットアウトし、御殿場合宿を敢行して今大会に参戦。ただモチベーションの高さがプレーに繋がらず、やや空回りしてしまった東海大翔洋に対し、東海大三は東海大翔洋の小曽根龍介監督が「向こうも気持ちが入っていた」と讃えたように、出足の速さで翔洋を上回り、球際の激しさ含めて相手を受け身にさせていた。

 東海大翔洋は前半終了間際にMF河上将平(2年)が個でDFを切り崩して決定的な右足シュートを放ったほか、MF上田竜之介やFW岩村勝利(ともに3年)が随所で一発の怖さを示していた。ただ、勢いのある攻守を見せる東海大三はカウンターから“格上”を仕留めるチャンスをつくり出す。前半31分には交代出場のMF二ツ木航(3年)からのパスを受けたMF見上勇輝(3年)が決定的な右足シュート。これはGK市川泰成(2年)のファインセーブに阻まれ、前半アディショナルタイムに見上のスルーパスで抜け出したMF{{山岸大地}(3年)の決定的な右足シュートは枠の左へわずかに外れたが、十分に強豪を脅かしていた。

 後半も18分に東海大三が見上のスルーパスから二ツ木が決定機を迎え、東海大翔洋も岩村が試合を決めるチャンスを得るなど互いに相手の背後を取り合って決定機をつくり合った。ただ相手を大きく上回るシュート13本を放った東海大三、そしてシュート数こそ5本に終わったものの、ビッグチャンスをつくった東海大翔洋ともにゴール前での精度を欠いて得点することができない。

 試合終盤、東海大翔洋は静岡県大会で準々決勝から3試合連続で試合終盤に投入され、いずれもPK戦勝利をもたらしている194cmのPKストッパー、GK西垣拓海(2年)を投入。小曽根監督が「凄く良くやって満点に近いくらいやっていた」と賞賛した市川をあえて交代させ、PK戦で圧倒的な実績を残している西垣に託した。そしてCB畑裕喜主将(3年)が「自分たちは技術よりもチームワーク。気持ち、メンタルが強いと思っている」と説明する東海大翔洋は県準々決勝、県準決勝、県決勝と3試合連続でのPK戦勝利と同じく、重圧かかる今回のPK戦でもまた結果を出す。西垣がPK戦1人目を左へ跳んでストップすると3人連続でストップ。そして東海大翔洋は主将の畑からCB井上敬開(3年)、右SB中矢裕貴(1年)と3人連続で成功して2回戦進出を決めた。

 東海大翔洋は静岡県予選中部地区大会初戦で静岡商高に1-3で苦杯。地区予選の敗者復活戦からひとつずつ白星を積み上げて全国まで上り詰めた。高校ではこれまで全国舞台を経験しておらず、自信のない選手もいたが、畑が「自分たちのサッカーを貫けば、勝ち抜けるという気持ちが出てきた。県を背負ってやらないといけない」と語るように白星とともに自信を身に着け、静岡代表としての誇りとともに全国舞台に臨んでいた。そして苦しみながらも初戦で白星。苦しい展開でも市川や畑中心に得点を許さず、またひとつ成長したチームが2回戦でもしぶとく白星を目指す。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)
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