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[MOM1103]長崎海星FW平野皓巴(3年)_東京五輪世代のスピードスターが圧巻4発

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.4 全国高校総体3回戦 仙台育英高 1-6 長崎海星高 韮崎中央公園芝生広場]

 昨年の東京国体少年男子で強烈なインパクトを残し、長崎県選抜の8強入りに貢献した長崎海星高FW平野皓巴(3年)。1997年生まれで2020年の東京五輪を23歳で迎える逸材FWが、初の8強入りをかけた3回戦で圧巻の4ゴールを記録し、その能力の高さを見せつけた。2週間前に負った内転筋の負傷明けということが影響してか今大会はこれまで無得点。「(前線では)自分だけノーゴールで毎日毎日悔しかった」というが、「仙台育英って有名な相手で自分たちよりは実力があると思っていたので気持ちで負けないようにして、自分が点取って勝てればいいと思っていた。点取ってチームに貢献できたので良かったと思います」と4ゴールでの勝利に胸を張った。

 高速ドリブルと抜群の決定力。持ち味が存分に発揮された試合だった。まずは前半5分、平野は小刻みなタッチのドリブルでDFのマークを外してから先制の右足シュートを決める。「相手のCBはデカくて足も長いんで、そこでいつも通りのタッチじゃ抜けないと思ったので、小刻みにタッチして相手外してシュート上手く打てた」という平野は2-0の34分にはカウンターから一気に中央突破。「自分はスピードある方。相手の前にしっかり入って、フェイクとかで外して中央突破できて、上手くシュートを打てたので良かった」とスピードを警戒して下がった相手DF間を見事に抜け出して鮮やかにゴールを陥れた。

 澤口徳彦監督も「あの間合いは教えてできるものじゃない」と絶賛する、そのスピードとドリブル技術を駆使して決めた一撃で3-0。そして後半4分には左FKをバックヘッドでゴールへ流し込む。「去年の国体の時にもああいう形で点取ることができていた。相手の前に入ってヘディングで流し込むことができれば、きょうも入れることができると思っていた。相手がデカかったので、前に入ればGKも見えないと思っていた」。頭脳派の一面も見せた平野は11分にも右サイドからのラストパスをコントロールしてから右足で4点目。試合終盤でも相手を振り切るような運動量をつけることが課題というが、この日はその前に試合の大勢を決する見事なゴールショーでチームを8強へ導いた。

 国体での活躍、経験は自らの将来の目標を変えた。「自分でも全国でも点取れると思えて自信がついた。シュートを打てば今は入ると思っています。国体まではプロとか代表とか入れないと思っている自分がいたんですけど、国体で結果が結構出せて、世代別の代表とかプロとか意識していけばもっと自分も上手くなると思ったんで今は意識できています」という。皓巴の読みは「つくば」で姉妹は「すずか」「もてぎ」といずれも日本有数のサーキット名が由来。「そこ(東京五輪)までにもっともっと成長して日本を代表する選手になって東京オリンピック出ます」という目標を持つ九州のスピードスターが夢へ向けて今大会で加速する。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)
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