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[総体]5戦22発!!東福岡が青森山田を下し17年ぶりVに王手

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[8.7 全国高校総体準決勝 東福岡高3-1青森山田高 韮崎中央公園芝生広場]

 東福岡高(福岡)は7日、準決勝で青森山田高(青森)に3-1で快勝し、優勝した97年大会以来、17年ぶりの決勝進出を果たした。準決勝までの5試合で22ゴールを量産する圧倒的な攻撃力を見せつけ、17年ぶりの日本一に王手。明日8日の決勝では大津高(熊本)と対戦する。

 序盤から圧倒した。前半1分、MF増山朝陽(3年)が右サイドをドリブルで突破し、折り返しにFW赤木翼(3年)が左足で合わせるが、ゴール上へ。同10分には相手GKのキックミスを奪ったDF堀吏規伸(3年)の縦パスから増山、赤木が立て続けにシュートを打ったが、GK、DFのブロックに阻まれた。

 先制点は前半11分。青森山田DF菊池流帆(3年)の縦パスをDF末永巧(3年)が出足良くインターセプトし、素早く前線に送る。前を向いたFW木藤舜介(3年)がドリブルで切れ込み、左足でゴールに流し込んだ。木藤はこれで今大会通算8ゴール目。得点ランキングトップを快走している。

 東福岡は前半23分、出場停止明けのMF中島賢星主将(3年)が振り向きざまに右足ミドルを狙うなど一方的に攻め立てる。同24分には増山の右クロスに逆サイドから走り込んだ赤木が右足で流し込み、追加点。同33分にも左サイドに流れた木藤とワンツーの形で赤木が中央に切れ込み、左足で自身2点目となるゴールを奪った。

 前半で3-0。思わぬ大差を付けられた青森山田の黒田剛監督はハーフタイムにゲキを飛ばした。FW松木駿之介(3年)は「試合前から『相手をリスペクトし過ぎるな』と言われていたのに、それを実行できなかった。相手をリスペクトし過ぎて試合に入ってしまい、守る一辺倒になってしまった」と唇をかんだ。

 圧巻の攻撃力で今大会を勝ち上がってきた東福岡とは今年3月のサニックス杯国際ユース大会でも対戦していた。しかし、「遊ばれて負けた」(菊池)という当時の記憶がまだ残っていた選手たちは相手を過度に警戒するあまり、プレーが消極的になってしまった。

 それでも後半開始からDF常田克人(2年)に代えてMF霞恵介(3年)を投入し、システムも3-4-3から4-2-3-1に変更すると、後半は一転して青森山田のペースで進んだ。東福岡が後半3分、8分と中島が決定機に決め切れなかったこともあり、青森山田はセットプレーを中心にチャンスをつくり出す。すると後半24分、右サイドからFW木戸隆生(3年)、MF野口雄輝(3年)とつなぎ、野口の折り返しを松木がスライディングシュートで押し込んだ。

 1点を返した青森山田はその後も必死の反撃を見せたが、東福岡の守備陣も2点目は許さず、そのまま3-1で試合終了。前半は文句なしの内容だった東福岡だが、後半の試合運びには課題も残った。2ゴールの赤木は「3-0だったから後半は守備に重点を置いていた。失点ゼロで行きたかったけど、そこは大津戦につなげたい」と、翌日の決勝を見据え、気を引き締め直していた。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 西山紘平)

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