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[MOM1112]東福岡MF赤木翼(3年)_熊本出身のアタッカーが誓う“恩返し”の日本一

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[8.7 全国高校総体準決勝 東福岡高3-1青森山田高 韮崎中央公園芝生広場]

 東福岡高(福岡)の強力3トップの一角を担うMF赤木翼(3年)が2ゴールの活躍でチームを17年ぶりの決勝に導いた。

 1-0の前半24分、MF増山朝陽(3年)の右クロスに逆サイドから走り込み、右足で追加点。同33分にはFW木藤舜介(3年)とワンツーの形で左サイドから中央に切れ込み、左足でゴールに流し込んだ。

「相手は3バックでスペースが空くし、そこを狙っていた」。周囲とのコンビネーションで流動的に前線を動きながらスペースを突く。赤木の持ち味が発揮された2ゴールだった。

 大会通算8ゴールで得点ランキングトップを快走する木藤、馬力のある突破力でFWクリスティアーノ・ロナウドを彷彿とさせる増山、そして赤木。東福岡の誇る3トップだが、左ワイドの赤木と右ワイドの増山のプレースタイルは対照的だ。

 赤木自身、「自分にないものを(増山)朝陽は持っているし、朝陽にないものを僕も持っている」と話す。1対1の打開力は増山にかなわないが、「自分は仲間を使いながら、最後に自分が決めるつもりでやっている。朝陽ももっと仲間を使えば、自分がもっと生きるのにと思うことはある」と指摘する。

 個々が特長を出しながらチームとして機能し、準決勝までの5試合で22ゴールを量産してきた東福岡の攻撃陣。17年ぶりの日本一まであと1勝と迫ったが、赤木には絶対に負けられない理由がある。

 決勝の相手は大津高(熊本)。熊本県出身の赤木は中学時代も熊本のクラブチームであるUKI-C.FCでプレーし、高校から福岡へ“越境留学”してきた。同じ熊本県出身で、「あこがれの先輩だった」という1学年上のFW木戸皓貴(現・明治大)、MF松田天馬(現・鹿屋体育大)を追いかけるように東福岡に入学。だからこそ、「熊本が地元なので、絶対に負けられない。大津だけには負けたくない」と、特別な意識を持っている。

 今年6月の九州大会決勝でも対戦している両チームだが、当時は東福岡が2-0で勝っている。「そのときは途中出場だったけど、点を決めている。それを自信につなげたい」と赤木。地元・熊本へ強烈な“恩返し”となる日本一を誓った。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 西山紘平)

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