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[総体]近藤「みんな自信を持っていた」東福岡底力の源は60m×48本の「走り」

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[8.8 全国高校総体決勝 大津高1-4(延長)東福岡高 中銀スタジアム]

 17年ぶりの日本一に輝いた東福岡高(福岡)をフィジカル面だけでなく、精神面でも支えていたのは週2、3回実施されるという「走り」のメニュー。今大会、これまでの東福岡はリードを奪った後の後半に運動量がやや低下し、相手の攻撃を受けてしまうシーンが目立っていた。大津高もその点を突こうとしていたが、終盤にアンラッキーな形で同点に追いつかれたことで気落ちした大津に対し、東福岡は本来自信を持っているという運動量、走力で走り勝った。

「彼を完全に抑えられるように成長していきたいです」というMF近藤大貴(3年)は1ボランチとして相手のキーマン、MF葛谷将平相手に奮闘。葛谷に先制アシストを許すなど悔しい内容になったが、それでも必死に食い下がり、2点目を生ませなかった。東福岡は3トップと2シャドー、そしてSBも積極的に攻撃に絡むため、カウンターを食らった際に近藤に対する負担も大きかったが、それでも1ボランチは90分間走り切って勝利に貢献した。

 相手に走り負けることなんてない自信があった。「きょうの延長戦とか走り勝てたし、みんな自信を持っていたんですよ。48本のダッシュ。効いています」と近藤。週2、3回のペースで行われるという「走りのメニュー」が彼らを「走力自慢」のチームにしていた。「走り」では60mダッシュ6本を4セット行い、少し長めの休憩を入れた後、また60mダッシュ6本を4セット実施。それを全て10秒以内で走り切らなければならない。

 以前は全くタイムを切れなかったというが、現在は全員が設定タイムをクリアし、中には9秒以内で走り切る選手もいるという。これまでの試合で運動量が落ちていたように映ったのは硬さやリードした後に試合をコントロールしたことによる“仮の姿”。近藤は「プレミア(リーグ)の試合とかでも最後は走り勝っている。自分たちでも言っています。『オレら後半強いからな』と」。計48本のダッシュが彼らがこの日見せた底力の源だった。

[写真]運動量に絶対の自信を持っていたという東福岡・近藤

(取材・文 吉田太郎)
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