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[全日本少年サッカー大会MOM]C大阪U-12FW吉田有志_鳥栖から引っ越してC大阪で日本一

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[全日本少年サッカー大会・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.9 全日本少年サッカー大会決勝 C大阪U-12 1-1(PK2-1)柏U-12 愛鷹公園多目的競技場]

 先制された1分後、チームを救う1発を決めてみせた。9日に静岡県・愛鷹公園多目的競技場で行われた「第38回全日本少年サッカー大会」の決勝戦で、セレッソ大阪U-12の長身FW吉田有志が魅せた。

 先制を許した動揺に包まれた後半9分、C大阪U-12は左MF川上航立のサイドチェンジから右MF黄世帆がカットインを仕掛けて縦パス。中央から右に抜け出した吉田が右足でファーサイドへ同点弾を突き刺した。右斜め後方からボール、ゴールは左前方、進路は右前方という状況だったが、視野の確保が生きた。吉田有は「ボールの移動中にゴールを見て、GKがニアに寄っていたので、ファーを狙った」と、その景色を振り返った。逆転弾は決められなかったが、チームはPK戦の末に柏レイソルU-12を下して初優勝を成し遂げた。

 吉田有は大会通算9得点でゴールランク3位タイ。チームを優勝に導く原動力となった。「決勝戦の最初はめっちゃ緊張していて、相手がガンガン来て相手のペースになってしまった。でも、しっかりと耐えて前半の終わりごろには自分たちのペースになった。でも、チャンスで決められなかった。後半に先制されたけど、そこから(黄)世帆君がめっちゃ気合いが入って、ドリブルをして良いパスを出してくれたので、落ち着いて決めることができた。世帆君はギャップとかスルーパスをどんどん入れてくれる。そこは、いつも狙っている。先制されたので、取り返したいと思っていた」と話したエースは、決勝戦でも面目躍如の活躍を見せた。

 吉田有は4月に入団したばかり。それまでは鳥栖U-12に所属していた。一家は兄が同志社香里高校に入学したのをきっかけに鳥栖から大阪に引っ越した。体格の良い吉田有だが、普段はおとなしい性格だという。GK上林豪は「普段は、ふんわりしている奴。でも、ユニフォームに袖を通したら、ガラリと変わる。入って来たばかりの頃は遠慮ばかりしていて『なんやねん、コイツは』と思った。でも、2、3試合プレーするうちに本性を表してきて、やるなと思った。普段はふんわりしていても、裏で強い気持ちを持っている」とチームメートを評した。実際に入団したばかりの頃は「めっちゃ緊張して、ビビっていた」(吉田有)という。しかし、練習試合で得意のロングシュートを決めたのをきっかけに、仲間が話しかけてくれることが多くなり、打ち解けていった。

 ガレス・ベイル(レアル・マドリー)やエデン・アザール(チェルシー)といった世界的なアタッカーに憧れる吉田有は「海外で活躍する日本を代表する選手になりたい」という夢を持つ。ジュニア年代日本一は、通過点。トラップを含めた形で自主練習をして磨きをかけているシュートで、今後もゴールを奪うつもりだ。

(取材・文 平野貴也)

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