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[Fリーグ]古巣からゴールの仙台FP清水「勝利が付いて来ればもっと良かった」

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[8.10 Fリーグ2014/15第8節 浦安3-3仙台 浦安]

 フットサルの公式戦は、プレーイングタイムの20分ハーフで行われる。ボールが出るたびに時計が止まり、サッカーでいえばアクチュアルプレーイングタイムのときだけ、時計の針が進む形だ。そのため、試合によっては1時間15分くらいで終わることもあれば、2時間越えになることもある。

 その時間の中で、バスケットボールのように、交代が自由なのもフットサルの特徴だが、この日、ヴォスクオーレ仙台のFP清水誠は、ほとんどの時間ピッチに立ち続けた。ピンチの時は最後尾で体を張って守り、チャンスの時は最前線まで攻め上がる。チーム2点目となるゴールも挙げた仙台のキャプテンは、未勝利のチームを懸命にプレーで鼓舞した。惜しくも初勝利には届かなかったが、古巣バルドラール浦安との引き分けに、確かな手ごたえを感じていた。

以下、試合後の清水誠インタビュー

―よく走って、よく止めて、疲れているのでは?
「大丈夫です(笑)」

―結果は、『惜しかった』という試合になりました。
「1週間、浦安を研究して、それに対してのプランを監督とみんなで立てたプラン通りと言い切ると、勝てなかったので、あれですけど。ある程度、守備もそうですし、ショートカウンターとか、チャンスもつくりながら、隙をうかがいながら、40分をとおしてやれただけに、残念です」

―試合の流れを大きく引き寄せた先制点は、見事な崩しでしたが?
「ものすごい形がぴったりとはまりましたね。ちょっと試合前に監督に呼ばれて、話をして『この形でやってみよう』と言われて、それを受けてのチャレンジだったのですが、あまり実は練習していなくて。いつもやっていることは読まれていると思ったので、変えて、あえて奇策というか。そうしたら見事にハマってくれました。でき過ぎですけどね、あれは。それで試合がやりやすくなったのは、間違いないです。そこは勇気を持って戦えたし。勝つことはすごく大事ですが、アウェーだから勝ち点1を拾えたことも、前向きに捉えないといけない順位なので、そこは胸を張って仙台に帰りたいです」

―1-1にされて、苦しくなるかなというところで、GKクロモト選手が攻め上がり、5人でボールを回して、清水選手がゴールを決めました。あの得点については?
「僕らのオプションというか、練習している形なので。僕のシュートはオマケですけど、久しぶりに、ここに帰ってきて、振り抜いたら入ってくれましたね。僕にとっては、特別なチームなので。いつでも。いつ以来かな? 全日本選手権では戦ったのですが、ここでプレーするのは3年ぶりくらい? チームにいたのは5、6年前なので、遠い記憶ですけど。同じユニフォームを着ていたので、感慨深いものはありました。

―その思い出の地で、ゴールも決められました。
「そうですね。あと、勝利が付いて来ればもっと良かったんですけどね。僕らのチームはハードワークをして、少ないチャンスをモノにしていきながら、勝ち点を重ねて行くチームなので。僕自身が言葉というか、体で示しながら。危ない場面は多少、防げていたと思うので。そういうところは若い選手が伸びるように、この1シーズンはやっていかないといけないのかなと思います」

―スタミナ的には、最後の2、3分は限界じゃないかとも心配しました。
「まぁ、オジサンなんであれですけど(苦笑)」

―カウンターのときも最前線に行っていました。特に前半はカウンターのとき、少ない人数でもボールをつなげていました。あれはチームの決め事でやっているのですか?
「もちろん、カウンターが多くなるのは分かっていたので、カウンターの練習とか、切り替えの部分。チャンスならもちろん点を取りに行くし、後ろから出て行くことで、マークははがれやすいので、常に狙ってはいるんですが、今日はそれが割とハマったというか。浦安さんのやり方にちょっと僕らが良い感じでハメてもらえて、チャンスをつくれた形が多かったですね。もう1点、2点取れていれば、決めれたというか、勝てる試合だったかなと。パワープレー返しも、ちょっと滑っちゃいましたけど、彼(今井翔)が…。いろんな要素が転がっていましたけど、どっちに転んでもおかしくない試合でしたね」

―残り2分までリードしていました。そこで直接FKで追い付かれたが?
「やっぱり、僕に当たって入っていますしね。クロモトと話をしながら、ああいうところの失点を減らしたりしないと。もっと危ないシーンがあったんですけどね」

―あのシュートは、腿に当たっていた?
「はい。跳ね返せればよかったんですけど、僕の体の向きが悪かったので。クロモトとポジショニングの修正をしながら、ああいうことがないようにしていかないといけない。僕とクロモトの間を通っているので。そこも最後の集中力が欠けたところかなと思います」

―チームが勝てない中で、何が足りないと感じていますか?
「僕自身、手を抜いたことなんて一度もないし、空っぽになるまでやっているので。あとは多少の運だと思います。本当に。もちろん経験とか、いろいろな要素はありますけど、ちょっとした流れで勝てると信じていますし、僕は13連敗した記憶も僕はあるので。花巻とか、府中のときに。そういうことが、なるべく続かないように、良いメンタルで終盤を迎えられるようにしたいです」

―今日のフットサルを続けていければ、という内容でした。
「はい。悪い試合ではないと、勝ってはいないのですが、思うので。そこは自信を持って、僕らは一番伸びしろがあるし、これから伸びて行く可能性が十分あるチームなので。上位陣を苦しめながら、這い上がっていきたいと思います。勝ち点を挙げることもそうですが、良い試合をやり続けることも、僕らの使命なので。頑張ります」

(取材・文 河合拓)

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