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[Fリーグ]7戦連続ゴールの浦安FP星「今年は当たり前のように点を取らないといけない」

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[8.10 Fリーグ2014/15第8節 浦安3-3仙台 浦安]

 フットサル日本代表FP星翔太が止まらない。10日に行われた第8節の仙台戦でも、残り1分55秒で起死回生の同点ゴールを決めて、チームを敗戦の危機から救った。これで7試合連続ゴール。しかし、星は「メッシがそうだったじゃないですか。W杯でMVPを獲っても、何でMVPなのって言われるんですから」と、個人の活躍よりも、チームが勝つことが大事だと強調し、「修正するところは多い」と、逃した勝ち点2を今後につなげたいと語った。

以下、試合後の星翔太インタビュー

―大分に勝った次の試合、下位の仙台に3-3という結果について?
「相手の作戦勝ちじゃないですか? こっちもメンバーが変わった中で、今まで出ていた選手を変えたことによって、起きた失点でもあるかもしれない。それはチームとして反省しなければいけない。最初7秒での失点もそうだし、パワープレーみたいな形から失点したのもそう。相手がやりたい形が、たまたま入ったみたいな。それは相手の対策を誉めないといけないし、そこに関しては、自分らがやれるのはその2失点をどうやって得点で返すか。それで取り切れなかったのは、正直、まだまだ王者になるべきチームの力が備わっていないなという感じなだけ。良い意味で、ホームで負けなかったというところで、勝ち点3を失うところで勝ち点1拾えたというところで、そこはポジティブに捉えながらも、そういう状況で修正をしていかなければいけない。もう一度、集中しなければいけないというのが試合を終えての感想ですね」

―シュート自体は打てていたが?
「でも、それもあまり発想があまり豊かじゃないところもあった。前半の最後のところは、(高橋)健介さんが絡んで、良かったところもあったと思うのですが…。健介さんが入ってきて、(荒牧)太郎が開いて、そうすると相手も迷うじゃないですか。そういうチームの連動でシュートまで行った回数は少ないと思うので、そこの発想力というか、アドリブ力は、ゴール前12メートルくらいで試されているかなと思います。仙台とか、割り切って守備をするチームには、そこを突き詰めていかないと、苦しむかなと。どこのチームも苦しんでいると思いますけどね」

―今年、べた引きするチームが全体的に減った印象だけど。
「マンツーマンのチームは増えていますよ。すみだもそうだし、前からマンツーマン気味について、ゾーンできたらOKみたいなチーム、我武者羅みたいな感じが増えています。ゾーンでも我武者羅で、後ろをカバーするために準備しているし。浦安はまだ、それでDFができてしまうレベルのチームなんだっていうこと。そういう部分では、まだ監督のシステムに対して、僕を含めて自分たちが発想力を持ってできていないと思うし、うまくいかなくなったときに余裕を持ってプレーできる強さは、まだない。相手のシステムを読みながら、どういうプレーをするかっていうのが、まだまだ足りないなと思います」

―今日は相手に先制されて、余計にやりにくくなったと思います。問題は、覆す攻撃力の不足? それとも先に失点する守備面?
「今年のテーマで行くと、上回ること。でも、みんな試合を決めたいと思っている。どの選手もそうだと思うし、特に浦安は日本人の集まりですが、そういう気持ちの強い選手の集まりだと思う。『勝ちたい』『王者になりたい』という想いが強いチームだから、だからこそ出るエゴイスティックな部分もあると思うから、その落としどころをもうちょっと探さないと。たとえば、左サイドの取り合いなのか。みんな、左サイドから攻撃は仕掛けやすい。そこを取り合うのか。それとも、『自分はセグンドに詰めてみよう』という選手が出てくるのか。そういう選手が出てきたり、全選手がこなせるようになると、もっともっと怖いチームになると思う。森岡薫くらいのレベルになれば、僕は左サイドでも、右サイドでも、止まっていてもいいと思う」

―そこに集めることが、チームの武器になるから。
「うん。だって、打ち切れるし、セグンドにも飛ばせるし、パスも出せるし。でも、そうじゃない選手がほとんどじゃないですか、日本人は。そこを、ちょっと愚直に修正していく。もちろん、そういうスタイルを求めるのも絶対に大事だし、参考にしないといけない部分もあるけれど。もうちょっと、どういう風に簡単に点を取れるかな、みたいな。なんとなくセグンドに詰めていますではなくて、セグンドに行くために、どうするか。セグンドでマークを外して打てるか、とか。あの選手がセグンドにいるから、どういう発想でセグンドにボールを飛ばそうかとか。そういうところを、もうちょっとチームとして求めていかないといけないかなと。本当に細かい部分ですけどね。どういう風に、僕を含めて選手たちで促せるか。自分も率先してできているか。そこを見つめ直すチャンスかなと。仙台はこういうふうにやってきて、町田戦、湘南戦と続いて、一週間空いて大分戦。幸いにも試合が続いていくから、どういう修正をしていくか。しかも、町田とか、大分は上位陣だし、湘南もここから上を狙って行きたいだろうから、油断できない相手が続く。そういう意味では、やりやすい。『修正しないと負けるよね』っていうだけのことだから。チームとして、どういう風に歩んでいくかっていうところを、合わせる週にするべきかなと思います」

―チームが強くなるための、良い機会?
「うん。僕らは『絶対王者』になれるとは思っていない。それは、7連覇、8連覇して、初めて言えることだと思う。愚直なまでに自分たちを見つめ直して、どれだけできるかっていうのが、僕らがこれからやっていかないといけないことだと思います」

―次節は町田戦です。8戦連発がかかっています。
「ね、すごいですよね。1試合に1点取りたいなと思っていたから。いま、最低限、ぎりぎり仕事ができているかなというところですね」

―とはいえ、今日の1点は勝ち点1につながる貴重なモノでした。
「でも、前半に取れるチャンスはあったし、そういうところで決めていないのは、本当の強さじゃないから。そこは、出ているからには違いを出してナンボだし、ゴールを取って、初めて仕事をしてるっていうのが、今年は自分の中で強くあるので。去年からも、もってはいるんですけどね。今年は当たり前のように点を取らないといけないと思っています」

―その中で、荒牧選手とは感覚やイメージが合っている感じですね。
「それが、出場時間がどうしても2人長いので、疲れてくるとお互い疲れてきちゃうときもあるし、周りのバランスを見ながらプレーしている部分もあるので。監督の思惑ができているから使われているのもあると思うし、僕の場合はゴールを決めているからっていうのもあると思うんですけど、それをもっと体現して、周りの選手をもっともっと変えていかないといけないというのが、今はありますね」

―もう一人絡めば、もっと楽に崩せそうですね。
「うん。それが(高橋)健介さんだったりするんですが、左利きだと理想ですね。左サイドで重なることになるので。ただ、それもわがままだと思うのでね。トラップでちゃんと外せたら、右サイドでも仕掛けられるはずだし。そういう部分はもう少し、こういう相手のときにもっと発想を豊かにしたいですね。試合中や、試合が終わってからパッと気づくことがあるけれど、それを試合に落とし込めているかといったら、そうではない。それがまだまだ自分に足りない部分だなと。それができていれば、もっと点を簡単に取れているし、7試合連続と言わず、何試合でも行けるだろうし、1試合2点、3点いけるだろうから。そういう気持ちがあるから、1試合1点取れているから、これだけ長い時間使ってもらって、ボールが集まれば当然な部分が多いから」

―次の町田も今季は守備が堅い。今回の課題が試されるかなと思いますが?
「そうですね。まぁ、去年までうちの監督をやっていた人が、コーチでいるわけじゃないですか。選手の特長も分かっているし、狙いどころにするところもあると思うから、そこはうまく試合中も茶々入れながら、楽しんでやろうと思っています」

―お互い知っているから、面白そうですね。
「ゴール決めたら、ちょっと岡山さんのところへ行ってみようかな(笑)」

―警告を、もらわないように、気を付けてください。
「自慢げにはやりませんよ。ひっそりとね(笑)。でも、課題はいっぱいですよ、勝っていてもそうだし」

―ただ、個人の反省よりも、チームの反省が多い。
「結局、そこですよ。チームが勝たないと、個人の意味なんてないし。得点王を取れたらすごいと思いますよ。でも、シーズン40ゴール取って、得点王になりました。でも、チームは2位で、残念でした。ってなると、賞の意味もなさない。メッシがそうだったじゃないですか。W杯でMVPを獲っても、何でMVPなのって言われるんですから。優勝していれば、OK。要はそういうことだから、僕はそこにすべてが集約されていると思うし、個人の7試合連続、8試合連続とかかってこようが、関係ない。その1点がチームの勝ちにつながるならいいし、勝ち点につながるならいいけど、っていうところですね。そこにはこだわっていきたいです。みんなが同じ方向を向いてほしいし、自分がうまくいっていないから、ちょっとプレーが散漫になるとかではなくて。自分がうまくいってなくても、やっぱり集中しないといけない。自分が悪くても、DFから入っていこう。DFがうまくいかないなら、攻撃で違いを出さないといけないとか。チームとして求められている部分をしっかりやっていかないといけないと思います。自分もキャプテンだけど、イライラすることがあるから、そういうところをもう少しコントロールして、チームに良い影響を与えていかないといけないかなと思います。ゴールっていう仕事だけじゃなくてね。もっともっと、そういうところで、当たり前のようにやらないといけないかなと。それが自分の課題であり、チームメイトに見習ってほしいと思うところだから、もっともっとやって、突きつめないといけないと思います」

(取材・文 河合拓)

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