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[アイアディアナスカップ]多彩な攻撃見せた野洲、熊本国府に2点差追いつかれるも競り勝つ

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[8.13 アイアディアナスカップ・ディビジョン2 1回戦 野洲高 3-2 熊本国府高 西都市清水台総合公園B]

「アイアディアナスカップ~GREAT~ BATTLE OF 宮崎 2014 ディビジョン2」随一の好カード、野洲高(滋賀)対熊本国府高(熊本)戦は野洲が3-2で競り勝った。

 全国高校総体で2勝を挙げた野洲と昨年度の全国高校選手権に出場して開幕戦でインパクトのある勝利をしている熊本国府との注目カードは野洲が制した。前半、FW村上魁(2年)とMF平石健祐(3年)のゴールで野洲が2点を先取。山本佳司監督が「ドリブル、パス、サイドチェンジという一人ひとりの長所を活かしたサッカーをしていくという方向性が表現できてきた。どんな相手でも良さを出せるようになった」と説明する野洲は今大会、全国総体で絶大な存在感を放った村上らドリブラーが躍動したほか、MF林雄飛(2年)や平石によるショートパスの崩し、一発の展開など多彩な攻撃。前日も大分U-18相手に決定機をつくり出していたチームはこの日も前半だけで2点を奪った。

 ただMF山口慶希主将、MF川上康平(ともに3年)という攻撃のキーマンがともに怪我で不在の中で今大会を戦う熊本国府もしぶとい戦いを見せる。後半、中盤の運動量が落ちてつなげなくなった野洲からショートカウンターでチャンスをつくり出すと、15分にMF内野真滉(3年)の豪快な右足ミドルで1点差。さらに前線からのハードワークで試合の流れを傾けた熊本国府はMF大林海心(2年)のシュートなどで攻め続けると28分に抜け出したFW原口克俊(2年)が同点ゴールを奪う。

 ただ佐藤光治監督が「しょうもない失点が多いです。競った試合をするけれど、最後に負けている」と指摘する熊本国府は相手を飲み込むことができない。マジメである一方、今年のチームの課題となっている勝負弱さ。田畑翔伍(3年)をSBからSHへ上げるなど攻撃のギアを上げた野洲の個人技に切り崩されて決勝点を奪われてしまった。野洲は山本監督が「ちょっとした精度とか増していかないといけない」と指摘したが、来年度大会のシード出場権を獲得。一方の熊本国府は続く徳島北高戦を3-0で制し、最終日にシード権最後の1枠をかけて広島観音高との13位決定戦を戦う。

試合後のコメント
●野洲MF平石健祐(3年)
「後半やばかったです。(相手のプレッシャーは)昨日のトリニータに比べたらそこまで厳しくはなかった。トリニータには負けたけれど、みんな『行けるんちゃう?』と自信もっていました。ただ、ああいう相手に勝たないと全国で上にいけない。勝負強さを出していきたい。(個人的には)インハイは全然。自分のプレーができなかったです。何も起こせなかったです。自分の力を出すことを重視して、力出さないと始まらないし、変えていかないといけない。サイドチェンジが得意やし、パスとか他の人が見えていないところへ出すのが自分の仕事やと思っている。そういうところを磨いていくことも自分の仕事と考えているんですけど、それだけやったら相手に読まれる。ドリブルとか何人か剥がせるくらいにしていきたい」

●野洲高FW村上魁(2年)
「最近調子いいです。(ドリブルで)行けるところまで行っている。(前日の大分U-18戦も)まあまあですけど、もっとできました。フィジカルの部分で負けていたところもあるし、勝っていたところもあった。(3人、4人と抜きにいってしまうのは)あれは癖ですね。GKまで抜きたいと思ってしまう。(全国総体では)まだ上に行けたと思う。(個人的には)結構ドリに自信がつきました。インターハイは全部(が自信)ですね。思ったよりもやれた。まだ取られるかなと思ったけれど、それがあまりなかった。課題は決めるところで決めないといけない。(好調の要因はストレッチなどで)キレが良くなった。あと気持ちの部分。今、やる気でしかないので(微笑)。選手権は自分の力を出す舞台にもなる。結果出していきたい」

●熊本国府・佐藤光治監督
「しょうもない失点が多いです。競った試合をするけれど、最後に負けている。マジメでやろうとしているけれど、あとひとつというところできていない。インターハイでは自分たちのやってきた積極的な仕掛けが全くできないまま負けたので、改善していかないといけないです」

(取材・文 吉田太郎)
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