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攻撃的な守備で完封に導いた横浜FM小椋「すいませんでした」

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[8.23 J1第21節 横浜FM2-0川崎F ニッパ球]

 ポジションは中盤の底に位置するボランチ。しかし、ボール奪取のチャンスと見るや最前線まで飛び出し、時には相手PA内に侵入して川崎Fの選手にプレッシャーを掛け続けた。横浜F・マリノスのMF小椋祥平は「狙いどおりの守備ができた」と試合後に充実の表情を見せた。

 小椋は試合前から守備のイメージができていたと語る。「スカウティングの段階で、(川崎Fの前節の試合となった)セレッソ戦を分析していました。後半からセレッソが高い位置から川崎Fの選手を捕まえに行き、前半で4-1だったのに5-4という試合になったと聞いていたので、自分たちは後半からでなく試合開始からドンドン行こうとしていました」。

 その言葉どおり、試合開始からエンジン全開。前線のFWラフィーニャやMF中村俊輔がパスコースを限定すると、「僕とマチ(MF中町公祐)のところで奪って速攻につなげるのが狙いだった。チームとしてそこに追い込んでくれていた」と狙いすましたボール奪取を繰り返す。たとえ自陣深くまでボールを運ばれようとも、前半14分にFW小林悠の決定機を阻止したように集中力の高い守備で川崎Fに得点を許さない。特に目立ったのが、相手最終ラインに猛烈なチェイシングを掛けて自由を奪うシーンだった。

 これも狙いどおりだったと振り返る。「ウチの後ろにはボンバー(DF中澤佑二)と勇蔵くん(DF栗原勇蔵)とロングボールに抜群に強い選手がいるし、フロンターレはロングボールを蹴ってこないから、最終ラインからでもつないでくるだろうという狙いで高い位置からつぶしに行けました」。

 前半7分には敵陣深くまでプレッシャーを掛けてボールを奪うきっかけを作ると、その勢いのままPA内に走り込んで中村のパスを受け、決定機を迎えた。しかし、シュートはGK杉山力裕のビッグセーブに遭い、ネットを揺らすことはできず。「あそこを決められればチームももっと楽だったと思います。そこはすいませんでした」と謝罪したが、90分間ピッチに立ち続けて2-0の完封勝利に貢献した。

 狙いどおりの守備での完封勝利に「チーム全体としてもセットプレーからも失点しなかったし、ゼロに抑えられました。何回か危ないシーンもありましたが全体が連動してコンパクトな守備ができたので良かったと思う」と語ると、「そこが自分たちの良さだと思うので、対戦相手が代わってもこれを継続していきたいです」と次戦以降の必勝を誓った。

(取材・文 折戸岳彦)

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