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[プレミアリーグEAST]鹿島ユースは執念の同点劇も・・・課題の終盤失点で勝ち点落とす

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[8.24 高円宮杯プレミアリーグEAST第10節 柏U-18 2-1 鹿島ユース 柏]

 後半アディショナルタイムに決勝点を献上してしまったが、鹿島アントラーズユースの勝利への執念は非常に印象的だった。柏U-18の下平隆宏監督も「心折れないし、最後まで頑張る」と讃えていたが、1点ビハインドで相手に圧倒的にボールを支配される中でも集中力を切らさない。相手が攻撃のギアを上げても、右SB寺門宥斗(3年)、CB中野純(2年)、CB野原有希(3年)、左SB大里優斗(2年)の4バック、MF大橋尚志(3年)、MF千葉健太(2年)ら全員が最後まで食らいついてボールをクリア。なかなかセカンドボールを拾えない展開でもあったが、終盤になってもFW鈴木優磨(3年)とFW垣田裕暉(2年)を筆頭に全員が諦めずに走り続けて流れを引き寄せた。そして後半39分、素早いパス交換からPAへ侵入したMF平戸太貴(2年)がPKを獲得。これを鈴木が右足でゴールへ沈めて同点に追いついた。

 だが、逆転勝利を目指してさらにゴールを目指し続けた鹿島は逆に終了間際、カウンターから切り崩され、強烈なシュートを一度はGK山田晃平(3年)がセーブしたものの、こちらも勝利への執念を見せる柏U-18にこぼれ球に一瞬速く反応され、決勝点を押し込まれてしまった。プレミアリーグの3敗はいずれも終盤の失点によるもの。ほかにも後半35分以降の失点で追いつかれた試合があるだけに熊谷浩二監督はその課題について指摘してきたが、また繰り返してしまった。指揮官は「どこかでぬるさがある。ある程度はできてもですね、最後プレッシャーがかかってくる時間帯で弱さがあるのかなと思います」。試合後には非常に厳しい口調で選手たちに言葉を投げかけていた。

 それでも「(3年生の奮起への期待も大きいが)調子のいい選手とか、目的を持ってやっている選手を使っていきたい」という指揮官の下、下級生中心のメンバー構成で前半戦は5位ターン。怪我で主力数人が不在だったこの日も首位・柏U-18を追い詰めた。若いチームであるがための課題がある一方、厳しい戦いの中で着実に成長し、相手にとって怖い存在になりつつある。熊谷監督は「プレミアの目標はやはり残留を目指すチームだと思っている。勝ち点的にもそういう位置に近づいてきているし、その辺を見誤らないという事で彼らには伝えていますし、若いチームなので試合の流れを見るというところだったりとか非常に弱い部分がある。突き詰めていかないといけない。(きょうの)セットプレー一本だったり、最後のああいう時間帯というところ(の失点)で、これで何か気づいて次にステップアップしていければと思います」と期待していた。

[写真]後半39分、鹿島ユースはPAへ侵入した平戸がPKを獲得。鈴木が決めて同点に追いついたが・・・

(取材・文 吉田太郎)

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