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[関東1部]アジア競技大会は「最後のチャンス」、明治大DF室屋がU-21日本代表“生き残り”を宣言

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 JR東日本カップ2014 第88回関東大学サッカーリーグ戦後期の記者会見が1日に行われ、第17回アジア競技大会(韓国)に出場するU-21日本代表に選出されている明治大DF室屋成(2年=青森山田高)も出席した。前期のリーグ戦5位という結果を「悔しい結果」とした室屋は「逆転して優勝できる力があると思う。しっかり結果を残したい」と宣言。明大は全日本大学選抜のエースFW和泉竜司(3年=市立船橋高)が長期離脱していた影響もあって中位に沈んでいるが、メンバーにはCB山越康平(3年=矢板中央高)やSB高橋諒(3年=国見高)ら全日本選抜候補や関東選抜候補の名が並ぶなど総合力はリーグ屈指で、加えて和泉も復帰してきているだけに後期の巻き返しが期待される。

 アジア競技大会出場のため、後期の数試合を欠場することが決まっている室屋。ただ大学生で唯一招集されただけに、「大学生の代表という自覚やったリ、責任がある」とU-21日本代表での活動に集中してアジアで戦ってくる意気込みでいる。室屋は11年のU-17W杯8強メンバーのひとり。国際経験も豊富なSBは、1試合の中で何度も長い距離をアップダウンできる走力と1対1の強さを武器に年代別代表や来年のユニバーシアード日本代表候補にも選ばれてきた。青森山田高卒業時にプロからの強いラブコールを受けながらも、明大進学を決断。それだけにJリーガーたちへの対抗心を燃やしており、「自分は一番明治が成長できると思ったので、それを証明するためにも(代表チームに)残り続けなければいけない。自分が負けているとか全く思っていないです」と力強かった。

 ただ、今回のU-21代表招集は後のない戦いだと理解している。残したいのは結果。「Jリーグに出ている方が評価されるのは間違いない。自分にとっては、この大会が(今後もこの代表に)残れるかどうかという、サバイバル。最後のチャンスだと思っていますし、ここで結果残してメンバーに残るとともに、テグ(手倉森)さんの信頼を勝ち取ることが重要。まずはSBなので守備でやらせないという事が一番なんですけど、今のSBというポジションはアシストだったり、得点を求められるポジションなのでアシスト、得点を狙っていきたい」とこだわっている。そして日本の代表としてタイトルを獲得すること。「日の丸を背負って戦えることは光栄ですし、言葉で言い表せない感情的なものがある。だからこそ、低いパフォーマンスとかそういうものは出せない。日本を背負っている以上、絶対に優勝して帰ってきたいと思います」

 U-21日本代表での活躍を足がかりに、個人としてもより上のステージへ駆け上がっていく。「(武器の走力は)テグさんも評価してくれていると思いますし、アギーレジャパンも運動量の事を言っていた。(同じU-21日本代表世代のSBである)松原(健)クンも代表に入ったリ、同世代の選手が選ばれているので自分にもチャンスがあると思う。頑張りたいです。(大学4年生の)よっちクン(F東京MF武藤嘉紀)は去年アミノバイタル(カップ)決勝でやらせてもらいましたけれど、凄いいい選手で、F東京の練習に参加したときも凄く仲良くしてもらった。目の前にいた選手が代表に選ばれて刺激になっている。遠い存在ですけど、よっちクンみたいに自分も頑張りたいです」と同世代や大学サッカーから日本代表入りしている選手たちのように羽ばたくことを誓った。

 青森山田高の先輩で日本代表に選出された鹿島MF柴崎岳や恩師である黒田剛監督からの激励も受けている。「(柴崎)岳さんはこの前、ラインですけど連絡が来て『頑張っているな』みたいな感じで結構気にしてくれていて。(黒田)監督にも『岳みたいにA代表目指して頑張れ』と言われているので刺激になっています」。今回のU-21日本代表での活動を「サバイバル」と位置付けている大学生DF。激励や周囲の活躍も刺激に、“生き残り合戦”を勝ち抜く。

(取材・文 吉田太郎)

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