beacon

[MOM1119]成立学園MF上田悠起(3年)_苦杯を糧にJ注目レフティーが2発

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.31 T1リーグ第14節 関東一高 2-3 成立学園高 新小岩私学事業団総合運動場]

 Jクラブ注目のレフティーが2発で逆転勝ちへと導いた。成立学園高MF上田悠起(3年)は0-2の前半42分に「チームの流れが悪くてシュートを打つ回数が少なかった。あそこでシュートを狙っていけばまた前から行けるし、流れも変わると思った」と左足ミドルをゴールへ叩き込んで会場をどよめかす。さらに45分には右SB吉田将也の右クロスを「夏前までだったらマイナスに飛び込んでからのシュートが多かった。でも自分の得点能力を発揮したいと思っていて、ゴールに近いところで勝負したいと思ってポジショニングしています」と最前線まで走り切り、ニアサイドから頭で同点ゴール。前半のうちに2点ビハインドを取り戻す活躍によって、逆転勝利の立て役者となった。

 高い得点力を発揮したほか、局面を一発で変える左足で攻撃の起点となった。加えて期待されながらも初戦敗退した全国高校総体での課題から、自身の意識を考えたプレーを見せる。「全国では自分の武器という左足を最大限消してきた。夏前とかは左足に頼る部分が多くて、どうしても自分で、自分でとなって、チームのために動くことができなかった。でも(全国総体は)、自分がボール持てなくてもチームのために動いたり、左切られても右が使えるという事を気づかせてくれた大会でもあります。常にチームのためにできて、最終的に自分が輝ける選手が一番いい」。ボールに絡むだけでなく、ベンチからの声も後押しに、走っておとりになる動きを見せ、2点目の得点シーンのように泥臭くゴールへ飛び込むプレーも披露。後半には右足でシュートを連発するなど、左足だけに頼ることなく、ゴールへ向かい続けた。

 「東京ナンバー1MF」「注目レフティー」とプロからの注目度が高まる中で迎えた全国総体では、積極的に左足ミドルを打った一方で不甲斐ない完封負け。ただし、苦杯を喫した夏は自分とチームの戦い方を見つめ直す機会になった。早速その課題修正に取り組み、この試合は0-2から逆転勝ち。「チームとしても個人としても全国の負け方でこの夏大きくなった。その成果を選手権で見せたいと思います。(選手権で)簡単な試合はない。でも一戦一戦大事に戦って成立はどことやっても強いと言われるようにしたい」。開きつつある自身の将来を確固たるものにするためにも、より自分を高めて「チームのためにできて、最終的に自分が輝ける選手」になる。

(取材・文 吉田太郎)

TOP