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シュート1本で1Gの柏FW工藤、狩野に贈るゴールパフォ「気持ちを体現できた」

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[9.3 ナビスコ杯準々決勝第1戦 横浜FM1-2柏 ニッパ球]

 この日、柏レイソルのFW工藤壮人が放ったシュートはわずか1本。それでも1ゴールを奪い、類いまれなる決定力を見せつけた。

 1-1に追いつかれた後半29分、MF太田徹郎の楔のパスを中央で受けたMF高山薫がワンタッチで右サイドでフリーになったいた工藤へ展開。「あそこまで行ったら自分の形。後は流し込むだけ」。GKとの1対1を制し、値千金の決勝弾を決めた。先制点となったFWレアンドロのシュートといい、決めるべきところで、決めるべき選手がゴールを奪った。毎年タイトルを獲得し、“勝負強い柏”と言われる所以だろう。「いまはニーヤン(レアンドロ・ドミンゲス)がいてチャンスをたくさん作れるようなチームではないので。少ないチャンス、みんなで作ったチャンスを決め切る」。これまで以上の決定力が求められていることをエースは誰よりも覚悟している。

 8月30日の甲府戦に続いて公式戦2戦連発となった工藤。ゴール後には、右手で「1」本、左手で「4」本の指を立てたパフォーマンスを見せた。これは8月に右足首骨軟骨骨折で全治約3か月の重傷を負ったMF狩野健太に贈ったものだったという。「甲府戦で決めたときにやろうと思っていたんですけど、久しぶりのゴールで忘れてしまって……(笑)。甲府戦から今日までの間に見舞いに行って元気な姿を見れました。(田中)順也くんが抜けて後半戦のカギになる選手だったんですけど、僕らより健ちゃんが一番悔しいと思うので。いろいろな人の気持ちを背負って、出ている選手は戦わなければならない。そういう気持ちを体現できたんじゃないかなと思います」。戦列を離れている狩野への想いを熱く語っていた。

 アウェーゴールを2点奪っての先勝は、チームの3年連続4強入りへ大きな一歩となった。それでも横浜FMへの警戒を緩める様子はない。「これで終わるようなチームではない。勝ち上がったわけではないので、そこは勘違いせずに。僕たちもそうですけど、サポーターの方たちも気持ちを引き締めて日曜日にスタジアムに来てほしいです」。工藤は中3日で迎えるホームでの第2戦に向けて、厳しい表情を緩めることはなかった。

(取材・文 奥山典幸)

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