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アジアクラブ選手権で自信を取り戻したFP白方「すべてが良いように進んだ」

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 フットサル日本代表は、1日から3日まで静岡県内でトレーニングキャンプを行った。このキャンプにおけるサプライズ招集の一人が、名古屋オーシャンズのFP白方秀和だった。というのも、所属する名古屋ではFリーグでベンチ入りするものの、なかなかピッチには立てず。自分のことを「かなり落ち込みやすいタイプ」と話す白方は、自信を無くしていた。

 しかし、今回のトレーニングキャンプで白方は、随所に好プレーを見せて、あらためて能力の高さを証明。伸び伸びとプレーできた要因には、合宿の1週間前に行われたAFCフットサルクラブ選手権があった。この大会で白方は、初戦のロコモティフ戦(ウズベキスタン)で1ゴールを挙げると、全5試合に出場。決勝でも得点を挙げて、チームの3年ぶり2度目の優勝に大きく貢献した。

「試合が始まる前までは、『また出られないんじゃないか…』っていう不安がありました。その前のリーグ戦も、2試合、3試合、出られていなかったので。本当に不安で、AFCフットサルクラブ選手権が開催される中国にも、『連れて行ってもらえるのかな?』というくらいでしたからね。自分の名前が呼ばれるまで不安でしたし、最初のウズベキスタン戦との試合でゴールを取ることができて気持ちはのれましたし、それまで試合に出ていた選手たちと同じように、試合にも入り込むことができるようになりました」

 2戦目となったビック・バイパース(オーストラリア)戦とは、力の差が明確にあり、チームは6-0で快勝。GL最終戦で対戦した深圳南嶺鉄狼FC(中国)とは、6-6で引き分けた。「力の差のある相手と試合をして、試合勘を取り戻せましたし、GL突破を決めた状態で、ここ最近経験していなかった緊迫した試合を、中国のクラブを相手に体験できました。自分にとっては、すべてが良いように進みました。自分の中で試合に慣れて、少しずつ自分のプレーも出せるようになって、って段階を追って行けたことが、準決勝のイラン戦であったり、決勝のタイ戦につなげていけたんだと思います」。

 アジアの頂点を目指す戦いの中で、取り戻した自分のプレーを、白方はこの代表合宿でも見せていた。だが、本人に満足感はない。「うーん。他の選手にもアドバイスをもらったんですけど、もっと自分で行かないといけないなと感じています。けど、今までの合宿の中では、少しは余裕を持てたというか。あとは、ここからもっと周りの選手の状況を見てとか、AFCのときみたいに、前を向いて仕掛けるプレーをもっと出していかなければ、生き残れないなと感じています」。

 おそらく、アジアクラブ選手権の活躍で、白方は名古屋のビクトル・アコスタ監督からの信頼を勝ち取ったはず。再開するFリーグでも出場機会が与えられるのではないだろうか。そして、その先に日本代表の活動がある。「次、日本代表が集まるときは大会になると思います。そのためにもチームでいかに出場機会を得て、そこで自信をつかむかだと思っています」。不安そうな表情を見せることなく、白方は力強く言い切った。

(取材・文 河合拓)

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