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第1子誕生弾を逃した横浜FC松下年「僕の所に跳ね返ってくれていれば」

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[9.6 J2第30節 横浜FC1-0群馬 ニッパ球]

 数字が雄弁に物語っている。横浜FCは6日のザスパクサツ群馬戦に1-0で勝利し、13戦無敗となり、勝ち点を43に伸ばした。MF松下年宏が出場した試合では10勝7分1敗と大きく勝ち越し、一方で出場しなかった12試合は1勝3分8敗と大きく負け越している。

 この試合でも、前半39分、左サイドからDF中島崇典が上げたクロスをPA内で受けた松下年は左足でシュートした。これはGK富井大樹に阻まれたが、こぼれ球をMF野村直輝がゴールに押し込んだ。3日に第1子となる長男が誕生したばかりの松下年は、野村とともに揺りかごダンスを披露。チーム最多4本のシュートを放ち、祝砲を狙ったが、惜しくも決まらず。「僕の所に跳ね返ってくれれば良かったのに」と、決勝点のシーンを笑いながら悔しがった。

 山口素弘監督は、松下年について「たまにちょっとやり過ぎちゃうので、今日は子供が生まれたばかりで、あまり気合いが入ってほしくないなと思っていたんですけど」と冗談を飛ばしつつも「セットプレーという大きな武器がある。非常に精度が高く、相手に与える脅威がある。そのほかに関しては、非常にシンプルで気が利くプレーをしてくれる。サイドをやったり、ボランチもできるし、トップ下もできる。基本的に非常に走れる選手なので、使う側でも使われる側にもなれる選手」と、賛辞を惜しまない。

 松下年は「僕は、流れをつくるというか、スムーズに前にいる選手を簡単につかってリズムをつくるのが役割だと思っている。それで攻撃のスイッチを入れたり、攻撃のテンポができていたりするのかなと思います」と言い、「監督がゲームの中でうまくいっていなかったら、細かく指示を出して変えてくれるので。それをやるだけでいいからやりやすい。戸惑いなくやれています」と、自身の万能性を新天地で生かせていると話す。

 DFドウグラス不在の中で2試合連続の完封にも豊富な運動量で貢献。松下年は「逆に彼がいない分、みんなが気を張って、アンテナを張って意識していた。その分、球際だったり強く行けていたと思う。僕らは継続していくだけ。下から、そうやって(9位まで)上がって来ているので、継続して最終節が終わるまでやっていきたいです」と、プレーオフ進出の6位まで勝ち点差2に迫った中で、意気込みを口にした。

(取材・文 河合拓)

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