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[関東1部]「卒業後も第一は選手」元Jリーガーの24歳、順天堂大GK大畑主将が完封勝利

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[9.6 関東大学リーグ1部第12節 順天堂大 4-0 中央大 味フィ西]

 好調・順天堂大を最後方から支えているのが、元Jリーガーの24歳GK大畑拓也主将(4年=磐田ユース)だ。出足の速さ、高い身体能力を活かしたプレーでチームの守りを安定させ、この日もクロスへの素早い対応などで無失点。後半は押し込まれる時間帯が長くなったが、声でチームの集中を途切れさせず、無失点で勝利した。

 06年のAFC U-16選手権日本代表メンバーでその後U-20日本代表などに選出されている大畑は、09、10年の2年間ジュビロ磐田でプレー。年代別代表の常連だったが、身長180cmほどのGKは名門・磐田で公式戦に出場することはできず、11年に順大へ進学した。大学1年目から出場機会を得たものの、怪我もあり、決して納得のいく大学生活を送ってきた訳ではない。それでも3年時から再び出番を得て、主将を務める今年は3年生GK今川正樹とともにゴールを守ってきた。「個でみたら(周りの大学に)勝てないと思う。人数も少ない。でも全員で守備もするし、全員で攻撃もするし、全員の総和で戦っていこうと言っている」。チーム全員で戦い、前期は2位。リーグで2番目に少ない8失点で乗り越えているのは大畑の存在も大きい。

 大畑は「入ってきたときから卒業後はやるつもりだった」と大学進学してきた。将来的には指導者になることも視野に入れているが、卒業後は「第一は選手ですね」とプレーヤーとして挑戦する意気込みだ。大学で最も成長できた部分について、大畑は人間としての成長を挙げる。もちろんプレー面において、大学で自分自身を見つめ直すことができたのは、大きかった。自分に足りないものを確認し、後輩への指導の中で後輩GKが伸びるためにどうすればいいか、練習法を考え、実践しともに成長してきた。そして自主性が増し、集団を機能させる術を考えることもできた。「今まで、サッカーしかしてなかった。今はキャプテンもやっていますし、人を動かすというか、順大ではサッカーだけやっていると機能しないので、機能させるために何が必要か考えました。以前はプレーで示せばいいという考えだったんですけど、声がけひとつにしてもチームをまとめていかないといけない。そこは変わりましたね。あと身体は大きくなりました(笑)」
 
 プロで最も対戦したい相手は磐田ユースの先輩で現在磐田トップチームのゴールを守るGK八田直樹だ。「(同じ三重県出身で)地元でサッカークリニックとかやっている。八田クンと試合がしたい」。全日本大学選抜や関東大学選抜に選出されるなど大学サッカーでも高い評価を得てきた実力派GKが、「あの2年間」から人間として、選手として成長した姿を示す。

(取材・文 吉田太郎)

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