[9.6 関東大学リーグ1部第12節 専修大 1-0 筑波大 味フィ西]

　後半半ばの3バック移行に伴い、左SBから左MFへとポジションを変えていたDF小口大貴(2年=川崎F U-18)が劇的な決勝点で専修大に勝ち点3をもたらした。後半45分、小口は中央のMF私市一樹が出したラストパスに左サイドから走り込むと「出してくれることを信じて走った。ポジションが変わって前に行けていたのでチャンスがあったら、と。練習からあの位置からのシュートをやっていた。いざ(決定機が)やってみたら落ち着いて打つことができた」と左足で決勝ゴール。「前期出られなかったのでチームのために貢献できて良かった」と静かに喜んだ。

　全日本大学選抜にも名を連ねてきたDFは今季、開幕から第7節まで先発出場。だが第7節で順天堂大に1-2で逆転負けすると、その後は先発から外れた。その悔しさを力にこの試合では最後まで走り抜いて勝利に貢献。「勝利のために走ることが自分の出来ることかなと思ってやっていました。走るのも仕事なんでそれが結果に結びついてよかった」。そして「前期結果残せなくて、自分の中で悔しい思いがあったので、(後期は)結果にこだわっていく。明治の室屋とかも(U-21日本)代表に入って刺激を受けているので、そこを追い越していけるようにやっています」と力を込めた。

　専大はSB北爪健吾とFW仲川輝人のJ注目コンビによる右サイドが攻撃の軸。ただ「左」の選手たちも普段から「コンビネーションで崩していこうと、いろいろ話しながらやっています」という。一番大事にしているのは選手同士の距離間。ボールを失った後の守備のことも考えながらプレーし、仲川不在のこの日は「右」以上のパフォーマンスでチャンスをつくっていた。そして北爪同様、抜群の運動量が小口の武器。この日最後まで走り切って奪ったゴールを自信に、これまで以上に「左」から相手ゴールを脅かす。

(取材・文　吉田太郎)