beacon

縦に速いアギーレスタイルを受け容れる麻也「サッカーは時代と共に変わってくる」

このエントリーをはてなブックマークに追加

 ポゼッションスタイルにこだわったザックジャパンから一転し、縦に速い攻撃の練習に時間を割いているアギーレジャパンだが、DF吉田麻也(サウサンプトン)はその変化を正面から受け容れようとしている。

「監督が代われば要求は変わるし、要求が変わればサッカー(スタイル)も変わる」。Jリーグ、オランダ、そしてイングランドと渡り歩きながら、それぞれのスタイルにアジャストしてきたという自信があるのだろう。「そういう変化には慣れている」と落ち着いた口調で言った。

 ブラジルW杯では、4年前にポゼッションサッカーで頂点を極めたスペインがグループリーグで敗退し、オランダ、コスタリカなどカウンタースタイルのチームが躍進した。優勝したドイツはポゼッションとカウンターを見事に融合させたチームだった。吉田は「サッカー自体も時代とともに変わってくる。皆さんも知ってのとおり、カウンターが有効だというのは分かっていること。明日はそういう形から点を取れればいいなと思う」と、得点スタイルのイメージを口にした。

 0-2で敗れたウルグアイ戦を踏まえたうえでの改善点についても言及した。「ボール回しをもう少し速くすること。プレスのかけ方を改善すること。ミスからの失点をなくすこと」。さらに力を込めて言ったのは、「何よりしばらく代表で勝っていないので、ホームで2連敗してはいけない。勝ちたい」ということだ。吉田の言うとおり、W杯で1分2敗だった日本の白星は、W杯前の6月6日に米フロリダ州で行ったザンビアとの親善試合(4-3)までさかのぼらないといけない。新生・日本代表がしっかりと前進して行くには何より勝利が必要だと感じている。

 スタイルは変われど、アギーレジャパンでも生かせると感じているザックジャパン時代の財産もある。「ミーティングで、DFラインのコントロールは良いという話だった。それはザックさんに細かく言われたこと。そういうのも生きているなと感じる」

 ザックジャパンでは当初、アジア杯から加わった“新顔”という位置づけだった吉田だが、アギーレジャパンでは最初から中心選手としてチームを引っ張る立場になった。新しいスタイルをしっかりと形にし、チームを勝利に導くことが責務であるという意識でベネズエラ戦を迎える。

(取材・文 矢内由美子)

TOP