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[関東1部]攻めて、走りぬいた専修大のJ注目SB北爪「走力が一番違いを見せられる」

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[9.6 関東大学リーグ1部第12節 専修大 1-0 筑波大 味フィ西]

 J数クラブが注目する専修大の右SB北爪健吾(4年=前橋育英高)がこの日も圧倒的な走力を見せつけた。特に後半の苦しい時間帯に右サイドでスプリントの連続。37分、38分と立て続けに長い距離を走ってゴールライン際まで駆け上がり、高速クロスなどでチャンスメークした。そしてDF小口大貴が先制ゴールを決めた後の49分にも、勝負を決定づけるべく、カウンターから一気に縦へと駆け抜けて右足シュートを打ちこんだ。

 後半半ばからは3バックへの移行に伴い、SBから右MFへと役割を変えて攻撃に重きを置いていたという理由がある。それでも終盤の時間帯に何度も長い距離を走り切る力はさすが。「後半、走力が一番違いを見せられるというか、人よりも自信がある。だから、自分が相手よりも多く動いて、守備の負担をかけさせることで相手の攻撃を手薄にさせることもできるし、相手に攻撃をやらせないという感覚を持ってやっている」というDFは終盤、相手の攻撃力を消して、チームに勢いをもたらしていた。

 普段4バックで戦う専大の3バック導入は自身にとってもチャレンジとなる。後ろに3人のDFがいる分、ワイドのアタッカーとして自身の攻撃力をより発揮することもできるからだ。もちろん、まずは守備の役割をしっかり果たすことを第一に考えているが、この日はあえて北爪が攻め残ることで、相手の対面の選手を攻撃参加させないという駆け引きも見られた。「(3バックは)守備が安定している。(後ろが)ボールを取り切ってくれるので、何回か攻撃に残ってみることもチャレンジ。その中でもっとゴールに直結するクロスとか、もっと効果的なパスとか出していければ、このシステムの違った強みを出していけると思う。チャレンジしていきたい」。毎試合、繰り返し右サイドをアップダウンし、確実にサイドを切り裂いてきた北爪の攻撃力。攻撃への規制が少し解除されることで、その爆発的なスピードと相手の懐へ切れ込んでいくシーンが増えるかもしれない。

 美しいサッカーで攻めて勝つことをコンセプトに掲げる専大の攻撃をより強力なものとする。そしてその走力をチームが走り勝つために発揮することが現在の目標だ。優勝候補筆頭に挙げられながら法政大に0-1で敗れた総理大臣杯準々決勝を振り返り、「走り勝てなくて負けた。(走り勝つという点は)後期自分たちの強みにしていかないといけない。(きょう)最後リードして終われたのは、チームとしても、個人としても反省とした結果が試合に反映できたと思います」と語った。新たなチャレンジも行う後期、1年時から専大の勝利の歴史とともに歩んできた強力DFが走って、攻め抜いて、リーグ4連覇の偉業を達成させる。

(取材・文 吉田太郎)

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