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[AFC U-16選手権]98JAPANが誇る“サイドの槍”、再びゴールもたらす

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[9.8 AFC U-16選手権GL第2戦 U-16日本代表 3-0 U-16中国代表 ラジャマンガラ・スタジアム]

「自分は前に走ることがストロングポイントなので、自分からボールを呼び込んで裏に走って行けば、相手はもっと食らいついてくる。そこを狙っています」。

 初戦に続き、U-16日本代表FW斧澤隼輝(C大阪U-18)の得意の動きが試合を動かした。初戦の香港戦、斧澤は1-0で迎えた後半22分にMF半谷陽介に代わって出場すると、直後の26分にMF安井拓也がボールを持った瞬間に相手CB間のスペースに猛然とダッシュ。安井からのスルーパスを見事なファーストタッチで前に持ち出すと、相手のファール覚悟のチャージによってFKを獲得。このFKをMF菅大輝が直接決め、斧澤は試合を決定づける2点目につながる働きを見せていた。

 そしてこの中国戦では、4-3-3システムのの右ワイドトップの位置でスタメン出場を果たす。試合前日の練習では、吉武博文監督から「(U-16日本代表の)ワイドトップはストライカーなのに、点が取れていないじゃないか」というゲキを受けていた。練習後、彼に話を聞くと、「フロントボランチがボールを持ったら、自分は前に行くことを決めている。前を向いた瞬間には自分がゴールに行けることをイメージしています」と自分がやるべきことの決意表明をした。

 中国戦はまさにその決意が結果をもたらした。決定的なチャンスを作れど決めきれず、0-0のストレスがたまる展開で迎えた後半2分。パス回しからオーバーラップしてきた左SB阿部雅志が、フロントボランチの位置でボールを持った瞬間に、斧澤はPA内へ猛然とダッシュ。DFの前に潜り込んだ斧澤を相手は香港戦同様にファールで止めるしかなかった。今度はPKを獲得。これを再び菅が決めて、均衡を崩す貴重な先制弾となった。

 斧澤はさらに9分にも左サイドを突破したFW渡辺陽に並走するようにトップスピードでPAへ走り込む。そしてラストパスを落ち着いてゴールへ流し込み追加点。指揮官のゲキに結果で応えるゴールも決めて、3-0の勝利の立役者となった。

「もっと自分の持ち味を出していきたい」。

 2連勝したチームはグループリーグ1試合を残して決勝トーナメント進出決定。準々決勝で勝利すれば、5大会連続となるU-17W杯出場が決まる。その目標へ向けて大きく前進したが、まだ自分たちが手にしたわけではない。現状で満足せず、さらに貪欲に自分を出していくつもりだ。98年生まれ以降の世代で構成された98JAPANが誇る“サイドの槍”は、すでに次なる試合に向けて、「前へ」「ゴールへ」の決意を研ぎ澄ましている。

(取材・文 安藤隆人)
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