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痛恨ファンブルの川島「若い選手に申し訳ない」

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[9.9 キリンチャレンジ杯 日本2-2ベネズエラ 日産ス]

 目の前で突然、ブレた。2-1と日本がリードしていた後半26分、ベネズエラはDFガブリエル・シチェロが左足でロングシュート。ほぼ正面に飛んできたボールをGK川島永嗣(スタンダール・リエージュ)は「そんなに強くなかったので、手前に落とそうと思ったが、手前でブレた」と、まさかのファンブル。後逸したボールがゴールに吸い込まれた。

「完全にミスです」。守護神は唇をかんだ。「若い選手が活躍してくれて、点も取ってくれたのに、逆に自分が足を引っ張ってしまった。若い選手に申し訳ない。チームとしても勝って終わりたかったし、申し訳ない」。FW武藤嘉紀、MF柴崎岳の2人がA代表初ゴールを決めるなど新戦力が結果を残した。しかし、チーム最年長でもあるGKのミスで同点に追いつかれてしまった。

 ただ、2失点目の場面以外では好セーブも光った。遠目から強烈なミドルシュートを打ち込んでくるベネズエラの攻撃をことごとく弾き返した。前半29分にMF細貝萌のパスミスからピンチを招いたシーンでも最後は川島が左足1本でビッグセーブ。細貝も「自分のミスは(川島)永嗣さんに助けてもらった」と感謝していた。

 ハビエル・アギーレ監督からはFW本田圭佑、DF吉田麻也を含めたキャプテン3人衆の一人に指名された。その信頼を示すように、5日のウルグアイ戦(0-2)に続いて2試合連続でゴールを守った。指揮官から「プロフェッショナルの見本」と絶賛された守護神は気持ちを切り替え、前を向く。チームは2試合とも勝てなかったが、「後半のようなアグレッシブさ、前に行く強さが出たのは確実にプラスアルファ」と、ウルグアイ戦からの進歩も口にした。

(取材・文 西山紘平)

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