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[AFC U-16選手権]鮮やかゴール決めた“仙台の星”、韓国戦勝利に導いて輝き増す

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[9.10 AFC U-16選手権GL第3戦 U-16日本代表 2-4 U-16オーストラリア代表 ムアントン・スタジアム]

 右サイドから中央へドリブルしたDF阿部雅志(星稜高)から、左サイドをオーバーラップしてきたDF堂安律(G大阪ユース)にパスが通る。この瞬間、U-16日本代表FW佐々木匠(仙台ユース)は「堂安の持ち方はタイミングが凄く分かりやすくて、左足で持った時はいいボールが来るので、そのタイミングを見逃さないように、走り込んだ」と、ゴール前ニアサイドのスペースに鋭く走り込む。堂安の左足からダイレクトでグラウンダーのボールが届くと、スライディングシュートでゴール左隅に決めた。

 鮮やかなゴールだった。しかし、結果は2-4の敗戦。彼のゴールは日本に勝利をもたらすことが出来なかった。

「今日は自分たちの出来が悪かった。もっと前線からの守備を見直して、高い位置で奪えるようにしないといけない」。

 試合後、佐々木は反省の弁を口にした。確かに試合内容を見ると、しっかりと反省すべきものであった。だが、佐々木の動きは同じく先発出場した初戦の香港戦より、明らかに良くなっていった。彼がこなすポジションは4-3-3のセンターフォワードで、98JAPANでは『フリーマン』と呼ばれている位置だ。ディフェンスラインとボランチの間や、DFの間、相手の背後を自由に動き回ってパスコースを作ったり、シュートを狙うポジション。香港戦ではギャップに顔を出す回数が少なく、パス回しの潤滑油になれなかった。しかも、蹴り込むだけの決定的なシュートチャンスを決められず、出来としては不十分だった。

「もっと動いてボールをもらわないと、自分の長所が生きないということは、はっきりと分かっている。もっと積極的に動いて、ゴール前に飛び込む動きをたくさんしようと思っていた」。

 この日は立ち上がりから運動量多く、ギャップに顔を出し続けた。得点を奪ってからも、果敢に相手の裏を狙い、3分にはDF田中康介(京都U-18)のスルーパスに抜け出してシュート。17分にはドリブルで持ち込んで、右の阿部にスルーパスを通す。さらに30分には堂安の左からのクロスに、ファーで飛び込んだが、これは合わず。また90分にもMF藤本寛也(東京Vジュニアユース)のスルーパスに抜け出すも、シュートの前にDFにクリアされた。

 自身2点目とはいかなかったが、要所で攻撃に関わり、質の高さを示した。しかし、冒頭でも書いたように、勝利に結びつかなければ、せっかくのプレーも輝きが半減する。それは彼自身も良く分かっているだろう。次はU-17W杯の出場権が懸った韓国戦。ここで決めて、勝利に導いてこそ、輝きは一際増す。仙台史上最年少でトップチームのベンチ入りを果たした“仙台の星”は、“日本の星”となって、日本を世界に導いてくれるはずだ。

(取材・文 安藤隆人)
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