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総理大臣杯全国2位と8強が関東2部Lで激突!法政大が3発逆転勝ち!!

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[9.13 関東大学リーグ2部第13節 青山学院大 1-3 法政大 保土ヶ谷]

 13日に行われたJR東日本カップ2014第88回関東大学サッカーリーグ戦2部第13節で、今夏の総理大臣杯全日本大学トーナメント準優勝の法政大と同8強の青山学院大が激突。法大が3-1で逆転勝ちした。

 関東2部に所属する両チームではあるものの、法大は昨年の全日本大学選手権優勝チームの大阪体育大と関東1部リーグ3連覇中の専修大を破るなど全国大会のファイナルまで駆け上がり、青山学院大も関東予選で関東1部の強豪、明治大と慶應義塾大を連破して全国大会でも1勝。実力が全国でも上位にあることを示した両チームが、期待通りの熱戦を繰り広げた。

 立ち上がりは前節悪かった立ち上がりを意識して修正してきた法大が押し込む。前線から運動量多くボールを奪い取りに来る法大は、後方でもCB田代雅也(3年=武南高)が空中戦で圧倒的な強さを披露。そして左利きの司令塔・MF西室隆規(3年=鹿島ユース)のゲームメークから、ゴール前でもテンポよくボールが動く。また左サイドで破壊力を示したSB永戸勝也(2年=八千代高)やMF高橋健哉(4年=横浜FMユース)が局面を打開し、右SB星雄次(4年=横浜FMユース)がインターセプトから一気に駆け上がった。そしてMF白石智之(3年=前橋育英高)や右MF三田尚希(4年=青森山田高)、高橋が枠を捉えるシュート。17分には右スローインから仕掛けた高橋の左足シュートがゴールマウスをかすめるなど青学大ゴールを脅かしていく。

 一方、ポゼッションが主体の青学大だが、序盤は法大の明らかに速いプレスに戸惑っていた。だが8分にMF関谷祐(4年=湘南ユース)の中央突破で得たFKから左SB諸井孝太(4年=山梨学院高)が無回転FKを放つと、18分には左MF荒木大吾(3年=柏U-18)が緩急をつけたドリブルによって自陣から敵陣ゴールライン際までひとりでボールを運んで見せる。また中央ではMF伊藤光輝(2年=柏U-18)が非常に高いスキルを発揮。そして試合が進むにつれて存在感を放っていった1年生MF山田武典(青森山田高)の力も大きく、攻め返してシュートシーンをつくり出した。

 青学大は21分にDFを振り切ったFW角宮健介(3年=桐蔭学園高)が左足シュート。対する法大は30分に永戸が左サイドを縦に破ると、その折り返しを三田が左足で合わせる。セカンドボールも回収して攻め続ける法大ペースのまま試合は進んだが、青学大もGK高橋博昭(4年=大宮ユース)中心にPAでの集中力高く、相手の猛攻を何とか防いでいく。そしてボールを奪い切った際にはその攻撃力を発揮。44分に左サイドで一気にスピードアップした荒木のパスから関谷が絶妙なターンでPAへ侵入すると、46分にも右SB堤勇人(2年=柏U-18)のスルーパスに反応した荒木が右足を振りぬく。

 いい流れの中で先制できなかった法大に対し、抜け目なく1点を狙い続けた青学大が先制点を奪う。後半7分、右サイドで関谷が絶妙なスルーパスを通すと、駆け上がったMF恵龍太郎(4年=滝川二高)がGKとDFの間にラストパスを入れる。これを角宮が左足で沈めてリードした。青学大は山田が幅広い動きで危険を消し、この山田と伊藤、そして関谷のトライアングルが前線へボールを配球。後半の流れは青学大にあった。

 だが長山一也監督が「後半の立ち上がりは凄く悪くて、前線からのプレッシャーも全くできていなかった。ウチの守り方ができない中であの背後の取られ方。青学さんも個の力、スピードがあるので隙をつくってしまったかなと思うんですけど、そこから3点取れる力はついてきたのかなというのがありますし、運動量も落ちなかった」という法大が青学大を凌駕する。15分、交代出場のFW安藤央(4年=新潟明訓高)を起点とした攻撃から左MF白石がDF2人の間へ鋭く割って入ってラストパス。これを高橋が1タッチで沈めて同点に追いついた。

 畳みかける法大は17分、右中間で高橋がスルーパス。前線を追い越して飛び出してきたMF黒柳駿(2年=浜松開誠館高)が右足でゴール左隅へ流し込んだ。リーグ戦初先発の黒柳の一撃で勝ち越した法大は、星や安藤が決定的なシュートを打ちこんでいく。青学大も山田の約50mのロングシュートや交代出場のMF後藤拓斗(4年=横浜FMユース)が絶妙なトラップから放った右足シュートなどで同点ゴールを狙ったが、長山監督が「アグレッシブにというのはずっと言っていること。『それができないと試合に出れないよ』というような形でチームとしてベースはできつつある」と説明する法大の最後まで全く落ちないハードワークと強烈なプレスの前に苦しい攻撃になってしまっていた。逆にしたたかに時間を削っていた法大は45分、クリアボールをおさめた白石が左中間から縦に仕掛けてPKを獲得。これを右隅へ決め、3-1で勝利した。

 法大にとって関東2部から勝ち取った総理大臣杯準優勝は自信となり、また素早い守備の準備、細かいポジショニングの修正など全国大会で出た課題を修正したことで隙のないチームになりつつある。総理大臣杯で準優勝に終わったことで、2部の法大には全日本大学選手権の出場権がない。だが、チームは残り試合全勝、1部復帰という目標へ向けて一丸となり、日ごろから激しいポジション争いを繰り広げている。長山監督は「この仲間と一緒にできるのはあと9試合なので、結果が出てくると達成感も凄く出てくると思いますし、取り組みの面で前向きにやってくれていますし、ボクとしても彼らに結果を出させてあげたいという思いがあるので、結果を出し続けて最後笑って終われるようにやっていきたい」と力を込めた。

(取材・文 吉田太郎)

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