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[特別インタビュー]最注目ルーキーの素顔F東京FW武藤(後編)「子供の頃は悪ガキの暴れん坊」

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 プロアスリートとして活躍する運動能力の高さに加え、端正な顔立ち。さらに、現役慶大生という頭脳。FC東京のFW武藤嘉紀は、誰もが羨む才色兼備のアタッカーだ。品行方正な印象だが、本人によると幼稚園の頃から、周囲の大人が手をつけられないほどの「暴れん坊」だったという。そして、日本代表に辿り着いた裏にあった努力を明かした。

―――リーグ戦では大舞台でゴールを挙げています。すごく『持っている』感じがするのですが。
「どうでしょうか。持っているのかな? 結構、口に出すと、実現するというか。たとえば、友達に『オレ、明日ゴールを決めるよ』と言うと、決めたりするんですよね。口に出したり、文に書いたりすると、結構、点を決めることが多い。みんなから激励の言葉が来て、『明日決めろよ』みたいなことを言われて、『絶対決めるよ』といったことを返すと決められるんです。アギーレ監督が来ることになっていた試合も、みんなからすごくメッセージが来たんです。『アピールしろよ』みたいな(笑)。それに対して『ちょっと決めてくるよ』って返したら、決められたので、言葉にするのは大事だなと」

―――有言実行なんですね。
「そうですね(笑)。どちらかというと、言ったことに責任を持つタイプですし、それを実行しようと頑張る方だと思うので。言った方が良いのかな。でも、あまり大きなことを言うのではなく、自分にあったくらいのことを有言実行したいと思います。自分の実力を考えて、行けるラインの最高のラインを狙って、言うようにしています」

―――そんな武藤選手ですが、客観的に自分を見ると、まだ代表定着は早い?
「そうですね。ただ、年齢的には早いわけではありません。海外の選手では22歳で国の10番を背負っている選手もいますし、早く自分も代表に入らなければ、そして定着しなければならないというのはありますが、代表に目を向けすぎてしまって、チームで結果を出せなくなると、それが一番良くないことなので。まずは本当に東京で結果を出し続けることが、自分の目標かなと思います」

―――周囲からの期待は、重荷にならない?
「期待に応えたいっていう気持ちの方が強いですね。やっぱりFWで出ていることもあって『点を取れよ』って言われることが多いのですが、そういわれると『うん』と言うしかないじゃないですか。だから、むしろ応援してくれることは嬉しいですし、それに応えなければいけないと思っています。でも、新聞などはきついですよ。だいぶプレッシャーになるというか。天皇杯のとき、『アギーレ監督が武藤視察』みたいに書いてあって。『絶対に違うのに、何でそんなことを書くの!?』と思っていたら、案の定、試合に出られなかった。そうしたら次の日には、『武藤アピールできず』って (笑)。もう、やめてくださいよって思いましたね、あのときは(笑)」

―――天皇杯の次の試合にも視察に来ていたのは嬉しかったのでは?
「嬉しかったより、緊張しましたね。絶対に意識しないようにしていましたけれど、どこかで見ているなっていうのはあったので。その気持ちを押し殺して、とにかく泥臭く行こうと思っていました」

―――その中で素晴らしい2ゴールを挙げました。大きなプレッシャーの中でゴールを挙げられた要因は?
「なぜでしょうか? 1点目に関しては、あそこからドリブルを仕掛けても、いつもは決まらなかったんです。多分、1回も決めていないのではないかな。左から中に切り込む形が多いのですが、最終的に自分はシュートではなくてパスを選んでしまうんです。練習でも、ずっとあの角度からのシュートは外し続けていたので、そこだけを練習していました。コーチ陣にも『データを取ると、左サイドから切り込んでいる形が多い。それが決まるようになれば、もっと点が取れるよ』と言われて、だいぶ練習しました。GKと1対1になって、どこを狙うかというのは」

―――シュートの前の駆け引きにも特徴があると思いますが、DFの裏に入るコツは?
「あれはしていないのですけれど、FWになってからどういう動きが大事なんだろうと考えたときに編み出したものですね。最初から縦に行くとオフサイドになるし、ちょっと横に行ってから、クッと縦に行くと、上手く抜けられるなっていうのがあったので。それは自分で考えてできましたね」

―――裏を取れば負けない自信がある?
「負けないことはないですが、裏に飛び出されると、相手DFも嫌だと思うので、その嫌なところ、嫌なところを付いていくことを意識しています」

―――今夏ブラジルで行われたFIFAワールドカップは見ましたか?
「見ました。すごいなと思ったのは、ハメス・ロドリゲス選手とか、同年代の選手ですね。同年代で、あれだけ堂々とプレーしているのは、すごいなと思いました。ただ、憧れという感じとは違います。自分ももっとやらないといけないって刺激になりました。自分も22歳だから、そろそろ結果を出していかなければいけないなと」

―――欧州で活躍している選手がほとんどですが、そこについては?
「海外に行きたい気持ちもあります。でも、それも日本でしっかりと活躍してからでなければ、海外にすぐ行っても活躍できないと思うので。日本で結果を残して、海外でも活躍できる実力を付けてからいきたいと思います。好きな国とか、特にないんですよ。あまりサッカーも見ないので。サッカーを見ないことは、意外と良かったかもしれません。もちろん相手のことを試合前には分析しますが、特長を知り過ぎていないぶん、思い切って自分を出そうというチャレンジ精神で試合にも臨めているので」

―――武藤選手は幼い頃、どんな子供だったのでしょうか?
「本当に悪ガキだったそうです(苦笑)」

―――優等生のお坊ちゃんのイメージがあるのですが?
「いや、全然違います。本当に暴れん坊だったらしくて、幼稚園の頃から手を付けられなかったらしく、親戚中、みんな僕のことを預かってくれなかったんです(笑)。とにかく腕白で、パワフルで、ずっと動いていました。家の中にはいなかったですね」

―――サッカーはいつ頃はじめたのですか?
「4歳のときに、幼稚園にチームがあったので、そこで始めました。そのときから続けていますね。小学校のときも、ずっと週に4回5回はやっていました。いろいろなスクールなどに入って、FC東京のスクールにも小3で入って。そのときには、サッカー選手になりたいと思っていましたし、FC東京の下部組織に入ったのは中学の頃です」

―――当時から速かったのですか?
「突出して速かったわけではありません。小学校の中では速い方でしたけれど、群を抜いて速いわけではなくて、一番速い4人くらいみたいな。飛び抜けているわけではありませんでした。だから、リレーのアンカーには選ばれるけれど、そこでみんなをごぼう抜きするようなことはありませんでした」

――では、スピードが突出してきたのはいつ頃から?
「今も多分、そこまで速くないと思います。ヨーイ、ドン!! で勝負したら、そこまで速くない。その前後の駆け引きとか、一瞬の加速で相手より前に行くだけで、ヨーイ、ドンで10秒台が出るとか、そういうわけではないと思いますよ」

――同じような速さのある選手たちに、その特徴を生かすためのアドバイスをください。
「緩急の付け方は大事にしていますね。僕は体づくりに取り組んでいて、体幹トレーニングも力を入れて行っています。一瞬の緩急の変化プラス、強さが大切ですね。強さが身に付いてからは、ほとんど『抑えられてしまうな』と感じたことがありません。だから、一瞬の駆け引きと、相手がぶつかってきても跳ね返されるパワーを持つことが大事かなと思います」

――スピードとパワーの両方が大切?
「そうです。スピードだけだと抑え込まれてしまうことがあるので。それだとスピードを活かしきれません。スピードプラスパワーがあれば、相手が抑えに来ても、そのまま弾き飛ばしてガンッと相手の前に入って行けるというのがあるので」

――それに気づいていたのが、U-18のときだったのでしょうか?
「はい。それで大学のときに、肉体改造をして、『これならプロでも行けるな』と分かった感じです。だから、僕のサッカー人生は小学校の頃から、ずっと足りないものを模索して、補ってということを繰り返してきた感じですね」

――天賦の才に恵まれただけではなく、努力家だったんですね。
「そうですね(笑)。そういう意味では、努力家ともいえるかもしれませんね」

――そんな武藤選手が、スパイクに求めるものとは?
「やはり軽さは大事です。自分はスピードであったり、緩急で相手を抜こうと思っているので。その中でこのアディゼロ F50は理に適っています。軽いですし、ソールもしっかりしているので、横の動きに関しても少しもブレることなく、自分のイメージした動きに付いてきてくれるので。実際、Jリーグでゴールを決めているのも、このスパイクを履いてからなんです。常に求めていた軽さが、このシューズにはあります。一度でも、アディゼロ F50を履いてしまうと、他のシューズを履いたときに『重いな』と感じてしまうんですよね。このシューズを履いたら、他のシューズは履けなくなっていました」

――加速する上では、グリップも重要です。その点についてはいかがですか?
「軽いのにしっかりしています。だから、左右に細かい動きでドリブルしていくときも、横ずれしません。どの方向にも同じパワーで進んでいけるのが、このスパイクのすごさだと思います」

――デザインについては、どうでしょうか?
「デザインはいいですよね。僕は派手なスパイクが好きなので」

――派手なスパイクを好む理由は?
「特別な理由はありませんが、人と違うものを履きたいっていう気持ちがあるからでしょうか(笑)。普段は派手好きではないのですが、サッカーのスパイクに関しては、真っ黒とか、真っ白よりも、少しこういう派手なものが好きです。色が付いているモノ、鮮やかな色が入っていた方が『いいな』と思います」

――このカラーのスパイクで全ゴールを挙げたとのことですが、そうなると他のシューズは履かないというような、ゲン担ぎをするのですか?
「色に関しては、正直気にしないですね。特別にゲン担ぎもしていません。とにかくアディゼロF50を信頼していますし、新作が出ることになっても、これを履きたいと思っています。信頼感は絶大ですよ。」

(取材・文 河合拓)

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