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メキシコ移籍のロナウジーニョが人種差別受ける、クラブやリーグは“バナナキャンペーン”で抗議

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 今夏、メキシコ1部リーグのケレタロへ移籍した元ブラジル代表FWロナウジーニョが新天地の地元政治家から人種差別的な発言を受けた。『ESPN』など各メディアが報じている。

 事の発端はロナウジーニョが入団会見を行った12日に交通渋滞が発生。地元の国民行動党に所属するカルロス・マヌエル・トレビーニョ・ヌニェス議員が、この渋滞へ巻き込まれたことにあるようだ。

 ヌニェス議員は自身のFacebookへ「広い心でいようとは思うが、私はサッカーや、それらが巻き起こす馬鹿馬鹿しい騒ぎが嫌いなんだ。人々が通りへ溢れかえって、道を塞いだせいで、家へ帰るのに2時間かかったんだから、なおさら嫌いになるものさ。ましてや、全ての元凶が『猿』だったとは。ブラジル人だが『猿』には変わりない。まったく馬鹿馬鹿しいサーカスだ」と投稿したのだ。現在、このメッセージは消去されている。

 これを受けて、ロナウジーニョの所属先であるケレタロは書面で抗議。「人種差別や外国人の排斥、男女差別などの差別的言動は、私たちが社会から根絶するべき、一つの暴力である」と声明を発表し、同議員への処罰を求めている。

 また、新天地のチームメイトたちもロナウジーニョをおもんばかり、「#TodosSomosSimios」(僕たちはみんな猿だ)のハッシュタグをつけ、SNSへバナナを手にする写真を続々と投稿。メキシコリーグの他チームのクラブマスコットもバナナを手に写真撮影を行うなど、差別撤廃への運動が盛んに行われている状況だ。

 今年4月27日にバルセロナのDFダニエウ・アウベスがビジャレアル戦で観客から投げ込まれたバナナを食べた行動に対し、世界中の選手が自身のSNSを通じて賛辞と支持を送り、FWネイマール(バルセロナ)やFWマリオ・バロテッリ(リバプール)らがバナナを手にしたり、食べたりする写真を投稿していた。

 今春にサッカー界の一大ムーブメントだった“バナナキャンペーン”が悲しいことに、再びメキシコの地で行われている。なお、ロナウジーニョは現在のところ、沈黙を貫いているという。

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