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2位と勝ち点6差も気を引き締める浦和MF柏木「ここからが自分たちの弱いところ」

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[9.20 J1第24節 浦和3-1柏 埼玉]

 決勝点を奪ったのは、やはり“柏キラー”の背番号8だった。浦和レッズが1点リードで迎えた前半28分、DF槙野智章のロングボールをゴール中央でFW興梠慎三が落としてMF李忠成に預けると、李は走り込んできたMF柏木陽介にヒールでパスを送る。ドリブルでPA内に侵入した柏木は、細かいボールタッチで柏DF2人をかわすと左足を振り抜く。3人のコンビネーションで中央を突破してみせた。「一番いいところにトラップできたし、(DFが)スライディングしてくるのも感じていた。自分の中では落ち着いた状況でゴールにいけた」。柏木は対柏通算7点目を振り返った。

 1点目の起点となったのも柏木だった。敵陣の左サイドで得たFK、DFが上がってくるのを待って中央へハイボールを入れるのがセオリーだが、柏木は中央に蹴るつもりは「まったくなかった」と言う。素早く右サイドのMF平川忠亮へ展開すると、平川のクロスに走り込んできたDF那須大亮がヘディングで合わせ、先制点を奪っている。「平さんだから信じていたし、那須さんも俺が(平川に)蹴るとわかっていたから、(ゴール前へ)入っていったんだと思う。イメージ通り」。2ゴールを演出した柏木は、試合巧者ぶりを見せつけた。

「もちろんそこは狙っている」。日本代表入りの話を記者からふられると、柏木は少し語気を強めた。「いまは自信を持っている。この自信を持って代表に臨めば、ある程度はできると思う。いまの調子をキープしながら、まずはチームで結果を残していくことが大事。代表が一番というより、チームがまず一番ある」

 残り10節となり、2位川崎Fとの勝ち点差は「6」に開いた。「ここからが自分たちの弱いところだと思っている。あと10試合をどう戦っていくか。最低でも勝ち点1を取ることを心がけていかなければならない」。優勝争いを演じながら無冠に終わった過去のシーズンを繰り返さない――。首位を牽引する背番号8は、自身初となるリーグ制覇にまずは照準を合わせた。

(取材・文 奥山典幸)

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