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[MOM1129]三浦学苑DF熊谷崇大(3年)_高精度キック操る10番の大型SB

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.21 全国高校選手権神奈川県予選2回戦 東海大相模高 1-2 三浦学苑高 横須賀リーフスタジアム]

 左右両足でプレースキックを蹴ることのできるキック精度と縦への突破力。180cm、70kgのDF熊谷崇大主将(3年)は、12年全国高校総体優勝校・三浦学苑高の10番を背負い、キャプテンマークも巻く大型の左SBだ。昨年はFWを務め、新チーム結成後はCBも務めていた万能型。大学関係者も春の時点で触手を伸ばすなど評価の高いDFは現在、そのキックと突破力を左サイドで発揮している。この日は「最初から前に行くことによって、相手も嫌がると思う。自分の持ち味は攻撃なので、チームの流れをつくっていけたらと思っています」と立ち上がりからアグレッシブな攻撃参加。縦へ切れ込む動きとインナーラップでPAへ侵入する動きを繰り返し、左サイドから東海大相模を押し込むと、精度の高い左足キックでチャンスを演出した。

 特に前半は抜群の存在感を放っていたが、チームの苦戦とともに後半は守備に専心。相手の俊足アタッカーの対応に集中して勝ち越し点を与えなかった。ヘディングも持ち味とするDFは攻守で勝利に貢献。だが、「前半は持ち味の攻撃参加ができて良かったんですけど、後半失速してしまった部分がある。日ごろの練習からもっともっと走って持ち味を発揮していきたい」と語ったように満足することなく、次の試合への準備をすることを誓っていた。

 今年2月に開催された世界規模のスカウトプロジェクト「NIKE CHANCE」ジャパンセレクション関東ラウンドでは元日本代表選手やJスカウト陣から高評価を獲得した。勝者1人が掴んだ世界セレクション(イングランド)への切符を勝ち取ることは惜しくもできなかったが、質の高いクロスやプレースキックを連発し、強豪校のアタッカーたちを食い止める守備でも存在感を発揮。勝者として熊谷を推す声も多かったほどだ。将来プロ入りを目指すDFは自信を掴んでチームに戻ったが、タレント揃う三浦学苑でも最も存在感を放っている。

 熊谷が「自分たちの良さというのはいい雰囲気でトレーニングに取り組めるし、チーム全員がハードワークできる。その中で高い質でできるんで、試合でも落ち着いてできていると思います」と説明する今年の三浦学苑。その中で熊谷は、1年時に全国制覇を経験しているGK角井栄太郎が「良さを引き出せるキャプテンでもある」と認めるように、チームからの信頼も厚い。その主将は「チームの勝利のために誰よりも走って、チームに少しでも貢献できるようにしたい」と宣言。プレー、リーダーシップを発揮してチームを悲願の神奈川制覇へ導く。

(取材・文 吉田太郎)

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