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[選手権予選]鎌倉学園が古豪対決制して神奈川16強進出!

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[9.21 全国高校選手権神奈川県予選2回戦 鎌倉学園高 2-1 藤沢西高 横須賀リーフスタジアム]

 第93回全国高校サッカー選手権神奈川県2次予選2回戦が21日に行われ、ともに全国大会出場歴を持つ鎌倉学園高と藤沢西高の古豪対決は、鎌倉学園が2-1で競り勝った。鎌倉学園は10月12日の3回戦で厚木北高と対戦する。

「ひとつK1(神奈川県1部)のチームを食ってやろうということを目標にしています」と冨名腰政史監督。1965年大会で全国3位にもなったことのある伝統校・鎌倉学園が16強入りを果たした。先発11人のうち7人は系列の鎌倉学園中出身。指揮官が「高校は勝負になってくる。(本当は技術にこだわりたいが)技術を使いながら、勝ちに行くサッカーをしている」というように、鎌倉学園は中高一貫指導で磨いてきた技術を活かす一方で、相手を徹底分析してその弱点を突くなど、勝負にこだわったサッカーで上位へ食い込んできた。

 こちらも全国高校選手権出場歴を持つシード校・藤沢西との一戦。鎌倉学園は立ち上がりの連続得点で試合の主導権を握った。まずは前半3分、「ウチのレベルではひとつ上のサッカー頭、知性がある」(冨名腰監督)というMF古川和秀(2年)の右CKを「藤西のビデオを見ていて、CKのニアが緩いと分析していた」というCB長田隆佑(3年)がニアサイドへ飛び込んで頭で先制点をたたき出す。さらに7分には古川が獲得したPKを10番MF前田晃(3年)が右足で決めて2-0。序盤の連続パンチで一気に試合の流れを傾けた。

 鎌倉学園はハードワーク、踏ん張りの利く選手たちが後方を支え、成長著しいFW嶋田篤哉(2年)とFW白石祥梧(3年)がコンビを組む自慢の2トップとセンスの高さを感じさせる動きからスルーパスを繰り出す古川や前田がチャンスを作り出す。後半も8分に古川のスルーパスから白石が決定的なシュートを放ち、前田の右足ミドルがゴールを捉える。一方の藤沢西はスピードのあるFW中村大樹(3年)やFW小林勇太(3年)の突破などから反撃。だが後半20分に中村が放った打点の高いヘディングシュートは鎌倉学園GK藤原成洋主将(3年)のビッグセーブに阻まれ、27分にMF島崎直也(3年)が迎えたチャンスも懸命に戻った左SB山崎雄大(2年)の好守に阻まれてしまう。33分にも中村がPAから決定的なシュートを放ったが、これも鎌倉学園GK藤原がビッグセーブ。ただこぼれ球をつないだ藤沢西は左サイドからのラストパスを交代出場のFW竹内周(3年)がヒールで流し込んで1点差とした。

 士気上がる藤沢西はカウンターやセットプレーなどから同点に追いつこうとする。だが、長田が「最後は気合だけ。みんなで声を掛け合ってやった」という鎌倉学園の集中力は最後まで途切れず、逆に交代選手たちがカウンターから3点目を狙い続けると、アディショナルタイムにセットプレーから中村に放たれた右足ボレーも藤原が対応。逃げ切った鎌倉学園が2-1で勝利した。

 足を攣らせるまで走りぬいた前田は「1点取られたら相手を乗せてしまう。チームのために走ろうと思った。自分たちには頑張れる強さと2トップの個の強さがある。チームの目標はもっと上。最高の仲間とひとつになってやっていきたい」。鎌倉学園が全国大会で躍動した時代を知らない選手たち。ただOBや父母、大声援を送り続けた控え部員たちのためにも、まだまだ上を目指す。藤原は「自分たちのいい部分を出して新しい歴史をつくりたい」と誓った。試合直後、「また、3週間やれるぞ!」と沸いたチームは3回戦までの3週間、必死にトレーニングに励み、また最高のパフォーマンスで白星を掴む。

(取材・文 吉田太郎)

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