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[プレミアリーグEAST]磐田内定の市立船橋GK志村、ライバルも認めた存在感

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[9.20 高円宮杯プレミアリーグEAST第14節 市立船橋高 1-1 流通経済大柏高 グラスポ]

 ピッチ外から試合を見ていた流通経済大柏高の選手から「あれ、キャッチするのかよ」「やべーな」という声が出ていた。そしてプロ入り有力な相手DF小川諒也も「存在感がデカかった」と認めた市立船橋高の背番号1。ジュビロ磐田への加入が内定している日本高校選抜GK志村滉(3年)が難しいプレーを難なくしてのけるなど、非常に安定した90分間でチームに勝ち点をもたらした。

 磐田と仮契約を結んだ7日の青森山田高戦では2失点し、14日の鹿島ユース戦も3失点。そしてこの日も1失点と進路が決まった後にやや失点が続き、本人も「もっと締めなきゃいけないと思いますね。自分だけではどうしようもない部分もあるので、もっとシュートコースを限定して守っていかないと守れないと思う」と口にする。
 
 ただ、この日は相手の鋭いクロスをパンチで逃げるのではなく、滞空時間の長い跳躍から次々とキャッチ。「キャッチこぼしてしまうとプレーも続きますし、何が起こるか分からない。自分で1回キャッチした方がゲームが落ち着くというか、コントロールできるんで、きょうはよかったと思います」。またDFの予測していない位置へのボールに対しては積極的に飛び出してクリアするなど、毎試合のように見せているビッグセーブをする前にピンチを消し去っていた。

 キックでも会場を沸かせていたこの日、いつも以上に声も目立っていた。プロ入りへ向けた自覚も増した印象だ。磐田入りが内定してから周囲の反応も変わってきたという。「周りの人からの見る目が変わったなと思います。学校とかでも『おめでとう』とか言われるようになったり、サッカーの試合の時に見に来たりするときに『期待している』とか声をかけてくれる人が増えました。ただ、あんまり(プロ入りが決まったことを)考えて、そこを気にしてしまうのはいけない。(難易度の高いプレーを)当たり前にできればレベルアップできたという事になる。その上の(レベルの)ことを言ってもらえるようにしたい」と力を込めた。

 セットプレーで失点したものの、全体的に好守が目立っていた。ただ課題を口にすることも忘れない。「自分がいい時は結構落ち着いている時。きょうは落ち着いていたと思います。オンオフの切り替えは自分はできる方だと思う。いいところも少しあったかなと思うんですけど、課題も新たに見つかった。(チームとしては)アタッカーの迫力だったり、まだ物足りないと思いましたし、守備のクリアのところとか細かいところで甘いところがあった。選手権予選までに修正して県優勝をまず目標にやっていく」。高校生活の集大成となる選手権へ向けてより個人、チームを高めていく。

(取材・文 吉田太郎)

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