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ブレイク必至の浦和MF関根「ドリブルでは絶対に負けられない」

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 今季、ユースからトップチームに昇格した浦和レッズMF関根貴大は、リーグ首位を走るチームの中でも出場機会をつかむだけでなく、10月9日に開幕するAFC U-19選手権を戦う日本代表メンバーに選出されるなど、着実な成長を遂げている。第14節C大阪戦でプロ初ゴールを記録し、第17節鹿島戦で先発デビューを飾ったルーキーは「壁を感じている」と打ち明けつつも、課題を克服して成長へとつなげる現在を「充実している」とも語った。偉大なる先輩・原口元気の背中を見て育った19歳のドリブラーは、自身の武器に磨きをかけて赤い悪魔の先頭に立つことを誓う。

――デビュー間もない頃はピッチに立つだけでワクワクしたと思いますが、試合をこなしていく中で心境に変化はありましたか。
「最初の頃は本能と言いますか、『とにかく縦に仕掛けろ』『自分の良さを出せ』『ドリブルを見てほしい』という思いが強く、正直あまり考えずに勢いにまかせてプレーできている部分もありましたが、最近は自分らしさをあまり出せていません。自分のコンディション面にも問題はあると思いますが、相手に『縦に仕掛ける』という僕のプレースタイルが読まれて警戒されてきました。だから、縦を切られたときの次のプレーが課題で、取り組まないといけない部分ですね」

――縦を切られた後の選択肢として考えているプレーを教えてください。
「例えば、僕はワイドのプレーヤーですが、中に入ってシャドーの役割をできるようにならないといけませんし、縦を封じられたときに味方とのコンビネーションで状況を打開する必要もありますが、連係をもっと高めないといけないと感じています。裏への抜け出しのタイミング一つとっても質が低いと思っていて、ヒラさん(MF平川忠亮)を見ていても感じますが、良いタイミングで上がるだけでなく質の高いクロスを送っています。守備でも安定感を見せているので、そういう部分の質を高めないといけません。すぐ近くに手本となる選手がいるので、手本となる選手から吸収して、自分の持ち味であるドリブルをもっと生かす場面を作りたいです」

――ドリブルへのこだわりを教えてください。
「僕は幼稚園の頃からずっとドリブルばかりしていました。当時は自分のドリブルがうまいとは感じませんでしたが、親が撮っていたビデオがあって、それを今見ると『こいつ、うまいな』と感じます。小さい頃から本当にドリブルばかりしていたので、そこが無くなったら自分ではないと思うし、絶対に負けたくない部分です。周りの方からドリブラーと表現されるのは、僕の特長を皆に知ってもらえている証明だと思うので素直にうれしいし、ドリブラーとして『あいつがボールを持ったら何か起こるんじゃないか』『ドリブルで何かしてくれるんじゃないか』というワクワク感を見ている方に与え続けたいですね」

――DFをドリブルで抜くとき、相手のどの部分を見て仕掛けていますか。
「1対1になったときは、どうにかして相手の足を崩すというか、足をそろえさせるタイミングを見ています。足をそろえさせれば一瞬のスピードで抜けると思っているし、股が開いたと思えば股抜きを狙うので、相手の足を見てプレーしている感じです。ただ、僕は10メートルくらいの一瞬の動きも持ち味だと思っているし、瞬発力を生かして自分から仕掛けるのが僕のドリブルなので、相手に動きを読まれてもスピードで打開していくくらいの気持ちも持っています」

――J1で多くの選手と対戦していますが、『この選手は抜きづらい』と感じた選手はいましたか。
FC東京のDF太田宏介選手やサンフレッチェ広島のDF水本裕貴選手はやりづらかったですね。僕が仕掛けに行っても簡単に飛び込んできませんし、知らない間に相手の間合いに持っていかれる感覚があって、『抜ける』というイメージをあまり持てませんでした。あとはチームメイトの槙野くん(DF槙野智章)も苦手です。僕が仕掛けようとしてもまったく動かないし、右に行っても左に行ってもガッツリ足が出てきてつぶされます。僕は重心が低いので相手の懐に入れば何とかなると思っていますが、そこまで入り込めません」

――槙野選手からアドバイスをもらうことはありますか。
「槙野くんだけでなくレッズの選手は全員1対1が強いので、練習から自分にとってプラスになっていますが、『どう仕掛けたら守りにくいですか』という話はしませんね。ただ、僕が守備に回ったときに自分がやられて嫌な動きを、ボールを持ったときに意識して出そうとはしています。それはドリブルというよりもオフ・ザ・ボールの動きで、そこは(ぺトロヴィッチ)監督が求めている部分でもあるし、一発で裏に抜け出してサイドから崩せたら決定機にもつながると思っています」

――現在は右アウトサイドでの出場が多いです。
「ユースのときはシャドーでプレーすることが多かったし、ワイドでプレーしても左サイドだったので、右サイド、しかもワイドに張り出してプレーする経験はありませんでした。左サイドだと右足でボールをコントロールしやすく、中にも縦にも行きやすいのですが、右サイドだと、まだ仕掛けにくさがあります。ただ、日本代表のMF清武弘嗣選手(ハノーファー)は右サイドでも左足で自在にボールをコントロールして仕掛けていたので、両足を同じように使えるようになれば、右サイドでプレーしていても中にも縦にも行きやすくなってプレーの幅が広がるはずです」

――左足の精度に自信は?
「苦手というわけではありませんが、まだまだです。今までは左足で持ってドリブルを仕掛けることはあまりありませんでしたし、右サイドからカットインしたときは左足でシュートを打つことになるので、左足の精度を上げないといけません。左足の精度もそうだし、オフ・ザ・ボールの動きやドリブルとまだまだ課題は多いですが、今は充実感があるんですよね。試合に出て課題が見つかり、それを克服すれば新たな課題が見つかる。そういうサイクルをこなすことが、自分の成長につながると思っています」

――課題に取り組むことで、開幕時点に比べて上達してきたという実感はありますか。
「カットインからの左足のシュートは練習しているので、少しずつ良いコースに蹴れるようになってきました。でも、それを試合で出せていません。練習と試合ではまったく違いますが、試合で結果が出ると自信にもつながるので積極的に狙いたいです」

――ヘルタ・ベルリンへ移籍したFW原口元気選手がデビューを飾りましたが、試合は見ましたか。
「デビュー戦は全部見ましたよ。伸び伸びと楽しそうにプレーしているなと思いましたし、あんなに活躍できるなんてすごいですよね。ただ、元気くんならもっとできたんじゃないかなって思います、僕的には(笑)。連絡ですか? 結構とってますよ。僕が『最近、うまくいかないんですよ』と相談すると、『それはお前の気持ち次第だよ、自覚が足りない』と言われましたし、天皇杯3回戦で負けたとき(8月20日群馬戦●1-2)には『何してるんだ』と言われました。ストレートに物事を言ってくれる人は大事だし、気に掛けてくれるのはうれしいです」

――原口選手がドイツに移籍する際に関根選手への期待を口にしていました。
「自分が目標としている選手でもありますし、元気くんが活躍できれば自分にもできるんじゃないかと思えるので、元気くんが海外に出て通用している部分がたくさんあるのを見て、良い刺激を受けました。仮に元気くんが通用しなかったら、『僕じゃ、ダメかも』と思ってしまうかも知れないので(笑)。活躍している姿を見て、僕ももっともっとやっていかないといけない気持ちが強くなりました」

――今はスーパーサブ的な役割を任されています。
「スーパーサブと言われるのも悪くないと思いますが、やっぱりスタメンで試合に出たい。90分間の中で得ることの方が多いし、長い時間ピッチに立つことで『ここをこうしてみよう』と課題も見つかります。先発と途中出場では役割も全然違いますが、スーパーサブ的な役割の中で結果を残さないとスタメンのチャンスも巡ってきません。だから今は現状を受け止め、その中で結果を残していきたいです」

――ユース出身者ということもあり、クラブやサポーターからの期待も大きいと思います。
「今はユース出身でレギュラーとして出ている選手はウガくん(MF宇賀神友弥)くらいなので、自分がやっていかないといけないと思うし、これからのレッズを引っ張っていくという気持ちは強いです。サポーターの皆さんからの期待も感じているので、その期待を裏切らない選手になれるように努力していきます」

――今まで履いていたマジスタからマーキュリアルに履き替えるようですが、新相棒の印象はいかがですか。
「最初見たときに格好いいなと思ったし、目立つ色なので、これを履けばグラウンドでも視線を集められるかなと思います。履いた印象はフィット感がすごく良くて、紐がいらないと感じるくらいにフィットしてくれます。自分の武器であるドリブルをさらに磨き、このスパイクを履いてチャンスを作るだけでなく、得点も量産したい。マーキュリアルはナイキ史上最速スパイクと言われているので、僕もスパイクに負けないように努力し、さらに速くなった姿を見せたいと思います」

(取材・文 折戸岳彦)



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