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[MOM1133]京都U-18MF奥川雅也(3年)_アジアで躍動期待のU-19日本代表アタッカー

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.28 高円宮杯プレミアリーグWEST第15節 京都U-18 5-0 富山一高 京都サンガF.C.東城陽G]

 抜群のスピードで抜け出してGKとの1対1を制した2点目など、京都サンガF.C.U-18の1点目から4点目に全て絡んだ。10月9日に開幕するAFC U-19選手権ミャンマー2014での活躍も期待されるU-19日本代表MF奥川雅也(3年)が、圧倒的な攻撃力を見せつけてチームを快勝に導いた。

 前半3分に鋭いドリブルで一気にPAへ迫ると、そのこぼれ球に反応したFW松下英右のゴールで先制。「きょうは1対1で仕掛けるよりもスペースに受けに行って前向きという事を考えていた。フリーで受けられたので、自分の思うようなプレーができたと思います」という奥川は簡単にマークを外してスペースでボールを受けると、高速のターンから一気にドリブルをスピードアップさせていく。24分にはMF永島悠史のスルーパスでDFを振り切って2点目のゴール。さらに34分には、左サイドからディフェンスラインの背後へアーリークロスを通してMF大西勇輝のゴールをアシストした。

 止まらない奥川は左右両足から放つプレースキックやスルーパス、果敢な仕掛けなどで富山一ゴールを脅かしていく。後半33分には交代出場のFW沼大希にスルーパスを通して再びアシスト。「パスはちょいちょい引っ掛かっていたところがあったんですけど、ラストパスはこだわってやっていたんで、そこは良かったと思う」という納得の内容でU-19代表合流前最後の一戦を快勝で終えた。

 以前、奥川を視察したU-19日本代表の鈴木政一監督からは「ボール持つと凄いけどなぁ」と言われる一方、「守備しないねぇ」と苦笑されることもあったという。それでも奥川はその攻撃力の高さを期待されてU-20W杯のアジア最終予選メンバーに食い込んだ。今月7日から13日にU-19日本代表として出場したAFF NutiFood U19 Cup 2014(ベトナム)ではU-19オーストラリア代表戦で2ゴールを決め、U-19タイ代表戦でも先制ゴールを決めるなど躍動。「得点チャンスはつくれていて、そこで決められたのは良かったんですけど、全体でみたらまだまだ失っているところとかあるし、守備の面でも課題があるのでまだまだやらないといけない。(アジア予選は)もっと厳しい試合になると思うので、攻撃も守備もできるようにしたいです」と語るようにU-20W杯出場を懸けた戦いでは守備の重要性が増し、一つひとつの戦いがこれまで以上に厳しいものになることも理解しているが、「自分は守備あまりできないの分かっているので出してもらったからには攻撃で貢献しないといけない」と強みを発揮するつもりでいる。

「アジアはガツガツ来る。自分フィジカルはあまり強い方ではないので、どうやって攻略するか考えていかないといけない。きょうみたいに間、間で受けていたらフリーになってチャンスもつくれると思うんでそういうチャンスをつくっていきたい。(U-19代表は)みんなパス回しとか上手いので、間をとったら必ずボールが来る。そこでフリーになれば前も動き出しがいいから自分の思ったプレーができると思います」。

 U-19日本代表では「仕掛けるタイミングとかスピードもあるし、自分に似ているかなと思う。でもロングシュートとか飛び道具も持っているのでそういうところを学んでいきたい」と分析するFW南野拓実(C大阪)ら1、2学年上の先輩たちとともにプレーする。「ここまで来たら年齢とか関係ない。A代表とか狙っていかないといけない年だと思うので、ここに満足せずに上狙っていければいいと思います」と誓う奥川が、アジア予選でもその攻撃力を遺憾なく発揮して日本に世界切符をもたらす。
 
(取材・文 吉田太郎)

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