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[MOM1139]実践学園DF大山友幸(2年)_Cチームから這い上がった2年生が決勝ヘッド

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ] 
[10.5 全国高校選手権東京都Bブロック予選2回戦 片倉高 1-3 実践学園高 駒沢第2]

 実践学園高の深町公一監督はこの日、普段の試合開始から相手を飲み込むような迫力に比べてどこか緩さのあったチームについて「50点ですね」と厳しい採点。ただ、与えられたチャンスを見事にものにしたDF大山友幸(2年)については、今後のチームを盛り上げる意味でも高く評価していた。

 大山は1か月前まで実践学園のCチームに所属。AチームがT1(東京都1部)リーグを戦う中、T4リーグの下に位置する地区トップリーグでプレーしていた。だが、深町監督が「(特長は)高さとか競り合いとか、守備だとか。そしていつも同じパフォーマンスができるというか、冷静でクレバーな選手です」という大山は、Cチームでアピールに成功してAチームに昇格。この日ベンチ入りを果たすと、後半開始から出場して18分に左CKを完ぺきに頭で合わせて決勝点となる一撃を決めた。

 深町監督は「ああいうチャンスもらって、頑張ってという子がいるので、それを見た周りの子が『俺だって』と、『チャンスがあるんだ』と分かってくれると思います」と、Aチームだけなく、Bチーム、Cチームをも活性化する一撃を喜んだ。「地区トップリーグで1年間やってきた子がチャンス得た。みんなが『俺だって』と集中してやってくれれば。その結果、選手権が見えてくると思う」と下から這い上がってきた選手たちの活躍がまた全国舞台を近づけるという。

 Aチームへ上がって満足してしまう選手もいる。またモチベーションを維持できずにAチームから下のチームへ降格してしまう選手もいる。ただ、実践学園は「11人で固めて戦ってきた訳ではないので20人、25人、30人と誰もがチャンスもらってやってきた」(深町監督)。この選手権予選の中でも160人近い部員全てにあるチャンス。諦めずに地道に努力すれば、この日の大山のように脚光を浴びることだってできるのだ。深町監督は「“シンデレラボーイ”じゃないですけど、ああやって地道に努力してくれる子がチャンスをもらえる環境だと思っている。そこから自分でどうアピールしたか。上がって満足する子もいるし、大山とかはそこで一頑張りしてくれる」。この日成果を発揮した大山だが、ここで満足せずにまたチーム力を引き上げることができるか。Cチームから現れた“シンデレラボーイ”は、ここからさらに進化してチームの全国進出に貢献する。

(取材・文 吉田太郎)

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