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[MOM1140]國學院久我山MF名倉巧(1年)_指揮官賞賛の1年生MF、雨中で輝く

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ] 
[10.5 全国高校選手権東京都Bブロック予選2回戦 駒込高 0-7 國學院久我山高 駒沢補助]

 連覇へ向けて7発発進した國學院久我山高の李済華監督は予想を上回る活躍を見せた1年生MF名倉巧を高く評価していた。この日は未明から強い雨が降り続き、第4試合だった國學院久我山対駒込戦ではピッチ上に水が浮いてしまっている状態。強い雨と重いピッチの中で164cmの小柄な1年生が力を発揮するのは難しいかと思われた。ただ「雨だったんで、ドリブルとかパスもゴロだと止まると思ったので簡単にプレーして、ゴール前でシュート打てるチャンスがあったら打とうと思っていました」という名倉は悪コンディションの中で輝く。前半15分に右クロスのこぼれを「こぼれて来るかなと思って後ろ目にいたらこぼれてきたのでそれを左足で打ちました」と左足でゴール。さらに34分にはFW澁谷雅也(1年)の落としを右足ダイレクトで再びゴールへ叩き込んだ。

 指揮官は「良くサッカーに絡めたなと思います。雨の中のゲームで、力の無い子には少し不利なんだろうけど、逆に言えば『状況判断のいいヤツに有利に働くね』、という感じがしましたね。彼はボディコンタクトが上手いし、ちょっとしたセンスを発揮してくれる。雨で潰されないで、重いグラウンドに潰されないで良く発揮してくれたと思う」と厳しい環境での試合にも関わらず、的確なポジショニングなど状況判断良く力を発揮した1年生を賞賛していた。

 FC東京U-15深川出身の名倉はユースチームに昇格することができなかったものの、選手権への憧れを持って國學院久我山へ進学。プリンスリーグ関東の前半戦で早くもデビューするなど期待の1年生だ。「コントロールとか状況判断が自分のいいところ。あと小さいんですけどビビらないで相手にぶつかっていける。(負けず嫌いは)小学校の時から。負けたくなかったので」と自己分析。そのテクニックと判断力、負けん気の強さも武器に存在感を高めてきている。

「部員が凄く多いのでその中で自分が2、3年生の代わりに出ることができている。2、3年生の分までちゃんとプレーしないといけないとずっと思っている。自分トップ下なので点に絡むプレーをしたり、1年生ですけど遠慮しないでやっていきたい」。トップ下だが背番号は3。昨年の左SBのレギュラーでFC東京U-15深川の先輩でもあるOB・加藤寿弥の背番号を「受け継いで頑張ります」と語るMFが、「遠慮せず」國學院久我山の連覇のためによりその実力を発揮する。

(取材・文 吉田太郎)

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